旅先の映画 : 燦然と輝くボリウッドの神々 2
もう何処で観たのか覚えてないけど、
デリーかカルカッタのどっちかと思うが、
暗い映画館の中で更に薄暗くおどろおどろしい映
像がえんえんと繰り広げられている画面を、
堅いシートにどっしりと寝そべったまま眺め続け、
終幕のヒーロー、若きアジェイ・デヴガーンがヒ
ンドゥー女神の力(シャクティ)を借りて、怨恨の
一矢を、悪漢の親玉に放ち貫いた瞬間、漸く解放
されるという安堵の念に、思わず拍手しそうにな
った<Divya shakti>。
しかし、決して退屈極まりなかった訳でもない。
我等が悪のヒーロー、アムリシュ・プリーが画面
におどろおどろしい姿を顕わしていたからだ。
A・デヴガーンの女神はカーリーかドルガーであ
ったろうか、「バブー」と悪玉プリーが讃え続け
た女神は一体誰であったか・・・
最初首が少し曲がっていた悪漢プリーが、
ヒーローに殴られたからか、何かの拍子でか、
治ってしまってまっすぐな首に戻り、
「バブー!」
と女神に感謝する場面は、あの貌とあのギョロ眼
でやるから最高に絵になった。場内爆笑だったか、
クスクスだったかもう定かでないが。
インドでは有名スターのポスターやブロマイドは
路上でよく売っているが、有名悪役のは先ず見た
ことがない。A・プリーのは、インドに行く毎に
捜してはみるのだが丸でなく、結局隣国パキスタ
ンのペシャワールのビデオ屋の店頭に貼ってあっ
た映画の小さなポスターにプリーの姿があったの
で、そこの兄ちゃんに頼むと二つ返事で呉れた。
<Pehla Pehla Pyar>というリシ・カプールとタブー
の主演映画のようだが、まだ観たことがない。
そう云えば、嘗て何人かの旅行者に、
「アミターブ・バッチャンとA・プリーは、絶対
に共演はしないんだ!」
と、今では噴飯物の訳知り顔のデマを吹聴された
事があった。複数だとすると、それなりの流通が
あった可能性もある。現地を行く個人旅行者(バ
ック・パッカー) ならでは知り得ることも多々あ
るが、同時にまことしやかなデマも少なくはない。
悪の両巨頭亡き後、誰がその跡を継ぐのだろう。
A・プリーの兄のオム・プリーは歳を取過ぎ、
<pinjal>や<Veer Zaara> のマノージ・バジパイは
些か繊細過ぎ、<モンスーン・ウエディング>にも
出ていたVjay Raazもちょっと線が細過ぎるよう
に思える。
そんなVjay Raazなんかの悪党達総揃いといった
感のある<シャクティ>は、ナナ・パーテカルの面
目躍如とした実-主演作ではなかろうか。
名目上は、女優カリシュマ・カプールが主演、そ
の夫役にサンジェイ・カプール、最後の方で漸く
出て来るシャー・ルーク・カーン。
ビデオのパッケージの表紙には、シャー・ルーク
やナナ・パーテカルの顔はあっても、前半、準主
役級に可成り出ていたサンジェイ・カプールの姿
は無く、知らないとシャー・ルークの映画と勘違
いしかねないので有名でもある。
カプール夫婦とその小さな息子が、インドのある
僻地のボスの父親の処に戻ってきた時から、俄然
悪漢輩の跳梁跋扈が何とも禍々しく展開し始め、
あたかも凶相のヒンドゥーの邪神達が砂塵の大地
から湧きだしたようで、これほど、バイタリティ
ー溢れたインド映画も余り観たことがない。
* ナナ・パーテカルの死は誤報。見た元の記事を勘違いしたか筆者の勘違い。
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