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2007年10月 1日 (月)

イエメン : こうして僕は怒りを燻らせてボンベイに戻ることとなった

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僕がイエメンを訪れたのはもう一昔前の事で、ボ
ンベイから空路で南イエメンの港湾都市アデンに
入った。

ところが、アデン市内のイミグレで早速、揉めた
訳ではなかったものの些かトラブってしまった。
現在は如何なっているのか知らないが、
その頃の数少ない旅行情報等には<外人登録>が必
要と記してあって、ビザにも明記してあった。係
官に登録の事を訊ねると、にべもなく
「必要ない!」
の一言ではねつけられてしまった。
出国も同じこのアデンからなら別に問題はないだ
ろうけど、僕は出国は北の首都サナアにしていた
ので、何としても登録はしておきたかった。
僕の少ない経験からもこれは後で必ずトラブるコ
ースと、執拗に登録を迫った。しかし、彼はやん
わりとだが巌として受付けなかった。それでも僕
が余りに執こいので、とうとう奥の年輩の偉いさ
んの処まで連れてってくれた。
が、やっぱし同様で、
「外人登録なんて必要ないよ」
と、てんで相手にもしてくれなかった。
さすがにもうそれ以上一旅行者の僕としては如何
しようもなく、あきらめ、悪い予感にジリジリし
ながらそこを後にした。

結局、ビザ延長の手続きがうっとうしくて、シバ
ーム行も断念し、いざボンベイへ戻ろうとサナア
の空港へ行くと、果たして、正に絵に描いたよう
に、イミグレでトラブった。
当然、<外人登録>のことであった。
尤も、その前に、X-Rayの後のテープ張りでの係
員の不手際、チェック・イン・カウンターのスタ
ッフによる度重なるミス・不手際が続き、雰囲気
は十分に盛り上がっていた。
係官は罰金の支払いを要求してきた。
払えない額では全くなかった。
それでも、正当な根拠もない金を払うつもりはな
く、アデンのイミグレが不必要と断言し登録して
くれなかった旨、あくまで繰り返し続けた。
向こうもてんで取り合おうともせず、罰金の支払
いを要求するばかり。
「アデンのイミグレに電話して確かめてみろ!」
と、決めをつけたつもりが、全く動ずる事もなく
知らん顔を決め込まれてしまった。
電話して確認することをしないということは・・
・まさかこの期に及んでバクシーシ狙いはちょっ
と考えられず、一体全体何故に奴はあんなに頑な
なんだと思わず首を傾げ困惑していると、
「罰金を払わないと飛行機には乗れないぞ!」
と最後通牒を突きつけてきた。
ふと周囲を見廻してみたら人影も疎らになってい
て、出発時間も迫っていた。
やむなく罰金を支払い漸く搭乗便に乗り込めた。
悶々と怒りを燻らせながら一路ボンベイへと戻っ
ていく事となった。

色んな情報から鑑みると、如何もイエメンの南北
の確執・軋轢に問題の原因があるようだった。
その少し前までイエメンでは南北の軍事衝突まで
起こっていたらしく、形だけの統一の下で依然と
して南北の対立が続いていたのだ。
だから、南のアデンのイミグレが北の政府が制定
した<外人登録>をする事ほど屈辱的なことはなく、
また、北の首都サナアのイミグレが、南のアデン
のイミグレに確認の電話をする事ほど恥辱的なこ
とはなかったのだろう。
そんな南北対立のあおりを喰わされたり巻き込ま
れたり、挙句道具にまでされたりしたんじゃ堪ま
ったもんじゃない。
けど、それが現実の本当のイエメンの姿でもあり、
それから免れてイエメンの本当の旅ってのも又あ
り得ないだろう、とは後になって漸く思い至れた
のであった。

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