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2007年10月 2日 (火)

タイの銘品 : 獅標紅茶粉

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僕の好きなタイの銘品といえば、紅いラベルの獅標紅茶粉、LION  TEAであろう。タイどころかカンボジアのマーケットにすら必ず置いてある。
プノンペンの 《キャピトル・レストラン》で、今はリプトンのティー・バッグだが、以前は、アイスはともかく、この粉茶が紅茶としてコンデンス・ミルク入りで出された。
ホットだとコンデンスの甘さがエグいくらいに強まり、何もつけないプレーンのフランス・パンを、このミルク・ティーに浸して食べるには頂度好かった。
只、外人客は総じてこの派手なオレンジ色の紅茶を嫌った。
如何にも合成着色料を使っていると云わんばかりの毒々しさだからで、僕も最初そのケミカル色を警戒していた。
そんなある朝、いつも店の角辺りに陣取っていたオーナーが、僕を厨房に連れて行き、グラスに件の黒い粉茶を一掴み入れ、その上から熱湯を注ぐと、忽ちオレンジ色に変色してしまった。
オーナーの話によると、これは着色したものではなく、自然な紅茶で湯を注ぐとこんな色に変わる種類のタイの高級なオリジナルの紅茶なんだと力説した。
なるほどと、単純な僕はそれを鵜呑みにし、そんな銘柄なんだと納得した。

あの濁った褐色は、メコンを想起させ、自然の茶葉とは異なる、むしろインドの香辛料を彷彿とさせる。メコンの養分濃い川水を口にすると、ひょっとしてこんな味ではないかとすら想わせてしまう。 

僕は自室で飲む時は、ホットでもアイスでもコンデンスは使わず、普通のミルクか牛乳で、あるいはブラックで飲む。ブラックと云ってもオレンジ色だが、味は独特で、可成り気に入っている。

昼間っからウィスキーの類を、些か人生に疲れたような親爺さんがちょっと遠慮がちに注文している中国人街ヤワラートの路地のくすんだ店で、束の間の涼を得ようと入った時も、7UPやペプシの時もあるが、やっぱり雰囲気に合っているのがこの紅いミルク・ティーだろう。但し、テーブルの上の皿に盛ってある中国菓子の類を食べる時には、大抵甘味なので、どちらかを遠慮せざるをえない。

最近何処かで、やはりあれは、着色していたような記事を読んだような記憶があるが、本当の処は詳びらかでない。
あの色なら十分に考えられる。
でも、例えどっちであっても、味に変わりなく、
それに今度は、如何な理由でわざわざ着色するようになったのか、
という疑問がわき、更にタイのアーユルベーダ的根拠から施されたものでは? 等と益々想像を逞しくしてしまう。

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