夜宴 (女帝)
アジアで今シェイクスピアが流行っているのか、如何も僕としては
今一つ面白くない。別にマイナー指向って訳でもないけど、ジョージ・オーウェルは読んでも、シェークスピアなんて鳥肌が立ちそう。王宮=権力なんて世界の何処でも同じ。権力闘争に明け暮れ、親殺し・子殺し・兄弟殺しは他の追随を許さぬぐらいに紀元前から延々と続けられてきた。DVDはYESASIAで発売になってすぐ買ったが、スクリーンでは、つい最近地元の名画座で観た。
今夕何夕兮 搴舟中流
今日何日兮 得與王子同舟
蒙羞被好兮 不訾詬恥
心幾頑而不絕兮 得知王子
山有木兮木有枝 心悅君兮君不知
越人歌として昔から有名らしい。
これが何度もその都度歌手が違って流れてくる。曲が好く、それぞれの場面で情緒を際だたせてくれる。
僕は一番最初にDVDで観た時、アクション場面はさすが袁和平と感心しながらも、映画自体は何かもう一つの感は否めなかった。
ところが、やはりあの最初の、先王の皇子・無鸞(呉彦祖)が恋人章子怡扮する婉児を先帝である父親に取られ、失意し呉越の地に隠れ歌舞に耽溺三昧、その竹林の館に、先王を毒殺した先王の弟の現王の暗殺団が襲撃するシーンは、越舞踊と衣装共々に舞台設定がかなり凝っていて、袁和平のワイヤー・アクションも面目躍如。この映画一番のハイライトで、この場面見たさについ棚のDVDに手が出、終わりまで観てしまっている内に、すっかり馴染んでしまった。
権力・軍人は黒、歌舞・文人は白という実に分かり易い対比。
特に軍人の黒光りした甲冑と、越舞人のネーチャー志向の象徴のような麻の衣服と白い紙面の対立は際だっている。
しかし、二代にわたる皇后・章子怡が、皇子と再会した時、皇子の背負っていた剣筒の中の越女剣を手に、突如皇子と演武を始めだしたのには、さすがに唖然としてしまった。越女は武芸に通じる者多しらしいけど、何としても世界のファンがチャン・ツィイー=娘剣士というお決まりを求めているのだろうか。
悪役の励帝は、奪い取った実の兄の嫁・婉后の裸体をマッサージしたり、最後に婉后が彼を毒殺しようとしたのを知って毒の入った酒を自ら呷って裏切った最愛の婉后の膝の上で死んでしまう。これはもう、葛優(グー・ヨウ)の役処であろう。その耽溺振りでは、美しく若い婉后が欲しくて実の兄を殺したに違いない。
DVDのカバーのコピー
千年一宴 百年一歌 江山紅顔欲難解
婉后 : 章子怡
励帝 : 葛 優
皇子 : 呉彦祖
青女 : 周 迅
監督: 憑小剛
美術 : 葉錦添
音楽 : 譚 盾
アクション監督: 袁和平
制作 寰亜電影 2006年度作品

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