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2008年1月12日 (土)

カンパニー   印度黒幇的故事

Company

ヴィヴェク・オベロイはこの映画が初出演・デビューということだが、それなりに好演しているし、A・デブガーンはもうお決まりの感がある。南インドのもう一人のスーパー・スター"モハンラール"も二人の敵役の警察側のトップとして画面に迫力を与えている。この役を他の役者が演じたら、随分とまた違った映画になったに違いない。

 「カンパニー」、この映画では、インドのアンダーワールド(黒幇)のある組織の話だが、実在の"D-Company"という汎アジア的なマフィア組織をモデルにしているらしい。1993年のヒンドゥー=モスレムの抗争の最中、ボンベイ(ムンバイ)での一連の爆破事件の首謀者とも支援者とも目されているらしいダウード・イブラヒムが、その首魁(ボス)という。爆破事件の方は、昨年(色々難題があったらしく、実際はその、一、二年前に制作)、映画《ブラック・フライデー》が扱っている。
 ラム・ゴパール・ヴルマのこの《カンパニー》では、テロ関係には一切言及されてない。否、"1993"以前は政治的な傾向は無かったのではないだろうか。イスラム教徒として、あの時の、ヒンドゥー側のイスラム教徒側に対する攻勢に怒ってからのテロル=爆破事件らしいから。D・イブラヒムは、インド当局どころか、アメリカ政府にも、"グローバル・テロリスト"として指弾され、WANTED LISTにも載っているようだ。
 この映画は、専らマフィアらしいマフィアとしての姿、世界をのみ取り扱っている。

 
 ボンベイのスラムに育ったチャンドゥーとその仲間達、次第にのし上がり頭角を現わし始め、ボスのマリークにも直に会え、稼ぎの好い仕事を任されるようになる。大ボスのアスラム・バイの傘下の他の敵対的な組織を叩いて、今じゃ他に敵なし。
 チャンドゥーも何時しか、生まれ育ったスラムから抜け出し、一人育ててくれた母親ラニと一緒に瀟洒な一戸建てに移る。許嫁のカンヌーもやがて結婚し一緒に住むようになる。シュリニヴサンをトップに据えた警察側の猛追をかわすため、チャンドゥーとカンヌーの新婚旅行にかこつけて、マリーク達幹部は、チャンドゥー夫婦と共に香港へと旅立つ。
 始めは和気藹々だったものの、依頼された知事暗殺に予想外に子供も一緒に殺めてしまう事の正否でチャンドウーが怒りカンパニーからの離脱を宣言。その瞬間から、チャンドゥー一派とマリークのカンパニーとの熾烈な抗争の火蓋が切って降ろされる。そんな動きを「カンパニー」壊滅の好機とばかり虎視眈々とチャンスを窺うシュリニヴサン・・・。

 クールなマリークとホツトなチャンドゥー。
 そして二人の妻のクールなスロジャとホットなカンヌー。
 さらにそのその二人の間をウロウロと彷徨うスラムの母親役が上出来のシーマー・ビスワース演ずるラニ。むつけき男達の抗争劇に、翻弄されながらも立ち向かう女達の姿が、男達と女達の比率が程良く平衡が保たれ単調さを救っている以上に、複合的・重層的なダイナミズムを作り出している。
 映画ではボスのマリークよりも、ヴイタリティー溢れたスラム出身の成り上がり青年・チャンドゥーの方がアクティヴで、新人ヴィヴェク・オベロイが溌剌と演じている。同じスラム出身の若い嫁のカンヌーも、彼に劣らず能動的で、仕舞いには銃まで手にしてしまう。

 仲々重厚に仕上がっていて、観る者を飽きさせない。
 チャンドゥーとコダ・シンが逃げ延びた先のケニアの首都ナイロビの下町でマリークの暗殺団に襲われるシーンも面白い。蝟集した民家の屋上を伝って逃げる奴だが、これはもうハリウッド映画でも一つの定番となっていて、ラム・ゴパール・ヴルマのも遜色ない。
 

Mallik         アジェイ・デブガーン
Chandu        ヴィヴェク・オベロイ
Srinivasan      モハンラール
Suroja      マニーシャ・コイララ
Kannu      アンタラ・マリ
Aslam-bhai    マダン・ジョシ
Vilas Pandit     アカシュ・クロナ
Koda Singh     ヴィジェイ・ラーズ
Rani bhai(Chanduの母親) シーマー・ビスワース

監督 ラム・ゴパール・ヴルマ 
脚本 ジャイデープ・サニ
撮影 ヘマント・チャトルヴエディ
音楽 サンディープ・チョウタ
制作 VYJAYATI  MOVIES / VARMA  CORP LTD 2002年作品

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