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2008年2月16日 (土)

バード&チンタラー《マー・タムマイ》雑話

Feenjah2   

  《ナン・ナーク》のノンシー・ニミブット監督の2003年の映画に、未だに燻り続けるタイ南部を舞台にした《OK ベトン》というのがある。マレーシアとの国境の町ベトンで美容院を営んでいた姉が南部問題の列車爆破テロに遭い死亡してしまって、唯一の肉親である仏教僧タム(プーワリット・プムプアン)が呼び戻され、還俗し一般人の男として美容院の後継オーナーとして、少しづつ成長して行く姿を描いた佳作だ。
 長年の男ばかりの僧院生活から突如姉や娘と親しかった近所の旅行会社のイスラム系の美人スタッフ(チラナン・マノーチェーム)やクラブ歌手、美容院の女性従業員達に囲まれ、履き慣れないズボンや食べ物に四苦八苦するシーンが面白いが、姉の葬儀を終え、美容院に戻り、ソファーに座るシーンで、テレビから流れてくる映像と音楽が、バード・トンチャイとモーラム歌手チンタラーの大ヒットしたデュエット曲《マー・タムマイ》であった。
 劇中では、チンタラーのバック・ダンサーと似たような振り付けを踊る緑色の衣装を着た女達の前で、どういう訳か、マイクを片手にした幼い娘が、店の女達に下手な化粧をされ唄わさせられるシーンが、タムの抱いた悪夢的な想念として続くのだが、同年であったか、バンコクの定宿でチラッとテレビから二人の唄声が聞こえてきたのでフト観ると、コークのCMであった。バードはともかく、コカコーラのコマーシャルに、ルークトゥンよりもっとマイナーなモーラム歌手のチンタラーが出るとは・・・彼女のファンでもあったので、ぶりっ娘チンタラーも大物になったな~と隔世の感に暫し画面に見入ってしまった。
 別にバードのファンじゃなく、今まで彼がどんな曲を唄っていたのか全然知らなかったけど、チンタラーとの絡みで、同じく大ヒット曲《フェーン・チャー》やコンサートの、亦インターネットで観たイサーンの田舎を走るキャンペーントラックの《クン・マーク・ラ・ティク・チャイ》の映像が面白くて、あれこれ何枚か彼のVCDを買ってしまった。
 フェーン・チャーのコンサート・ライブのVCDは、あらゆる面で感心させられてしまうものであった。本当にバードは幅広い層に人気があるんだなーとか、スポーツ会場だけと思っていたウェーブとか、演歌歌手のコンサートのおばさん達が持っていそうな声援用のスティックとか・・・。
 でも、何故バードとチンタラーなんだろう?
 そして如何してあんなに大ヒットしたんだろう・・・これはタイ"住民"でない僕には手が余る問題だけど、仲々面白そうではある。タイにはそんなこの問題を分析したり解釈したりする評論家なんて居ないのだろうか?
 
 確かに、あの頃は、ポップス歌手がルークトゥンやモーラムの曲を唄ったりしていた。タイ・タナウットやパーン・ナカリンなんかも。
 その後、チンタラーのコンサートのVCD《サーオ・リーヤン・ピン》が出たので買ってみたら、彼女の声の調子の悪さもあって、散々な代物であった。チンタラーのVCDはそれまで何枚か持っていて気に入ってたけど、実際のモーラムのコンサートってあんなお座なりなものなのかと呆れてしまった。一緒に唄っていた訳の分らぬ男の歌手は最悪で到底プロの歌手とは思われない。あんなのと彼女は常時一緒に地方廻りをしてるのだろうか・・・チンタラーって所詮そんな扱いしかされてなかったのかとか、思わず同情とも哀れみとも知れぬ些か情けない想いに駆られてしまうVCDであった。

 それにしても、何故あんな物を敢えて商品化したんだろう。会社側の気が知れない。普通は没にしてしまうと思うけど、何しろ弱小モーラム音楽出版社なんなんだろうから、再度のコンサート・ライブの録画撮りするだけの予算がないのかも知れぬ・・・等と勝手に憶測してしまう。が、実際は、単にマアこんなもんで好いかって、ミー(マイ)・ペン・ライって処なのかも知れない可能性もタイなら有り得るだろう。
 何としても、まともなコンディションのチンタラーのコンサート・ライブのVCD観てみたいものだ。バードはあの後は、あれこれ色んな歌手とデュオしたりしてたけど結局元のバード・トンチャイでしかなく、僕の範疇外でてんで興味もないが・・・

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