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2008年3月19日 (水)

癒された地

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2006年のアジア・フォーカス映画祭で一度観たきりだけど結構面白く、その後何の音沙汰もなくDVD化もされてないようで、もったいないので紹介しておきたい。
 
 通俗的?なアクション映画なんかと範疇を異にした映画だが、これが下手なハリウッドのアクション映画よりも遙かにスリリングなのだ。別に派手な撃ち合いがある訳でもないのに。本当、スリリングな映画を造るのに大袈裟な設備やスタントなんて必要ないと証明してくれたかのような映画だ。それがベトナムの映画ってところが味噌なんだろう。

 元南政府軍兵士だったタイは、当時は結構有ったらしい重婚の、二人目の妻と娘を連れて地雷や不発弾があっちこっちに埋まったままの土地に移住することとなった。
 地雷原から有刺鉄線を集めては酒代にしていた以前解放軍兵士のナムに会い、タイはその遣り方を学ぶ。旧米軍基地の地雷原に行き、命がけで手掘りで地雷を撤去しながら、くず鉄を集め、二人の妻と子供達を養うことができた。当時はくず鉄が好い値で売れたのだった。やがてナムが地雷で死んでしまい、くず鉄も次第に底をつき始めた。家族を養ってゆくためには、自分達のそれなりの広さの農地が必要であった。開墾用の土地を得るため、更に薄氷を渡るように地雷を撤去してゆかねばならなかった。それでも、少しづつの撤去と開墾を細心の注意で辛抱強く続けてゆき、やがて広大な野菜畑に代わってしまう。憎悪と血と破壊に疲弊し尽された凶土が癒され瑞々しい緑の畑となって蘇ったのだ。
 「青いパパイヤ」や「シクロ」のアン監督作品のように西側風に洗練されたものとは違う、実話を元にしたベトナムからの何ともスリリング極まりない生命賛歌って処だろうか。

監督 ブイ・タク・チュエン
脚本 ブイ・タク・チュエン
     グェン・ティ・ミン・ゴク
撮影 ホアン・タン・ファン
音楽 ド・ホン・クァン

タイ    チャン・ヒュー・フク
タイの妻  ゴー・ファム・ハイン・トゥイ
タイの妻  マイ・ゴク・フーン
ナム    マイ・ヴァン・ティン

制作  2005年(日・越合作)

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