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2008年4月26日 (土)

暗いスクリーンの金切り声 The Screen at Kamchanod

Tongfilm4   

  以前タイ・ポップス・シンガーの"トン"・パクラマイの映画出演の箇所で、彼女がその後映画主演の話など聞かない等と書いてしまったが、その頃には、このホラー映画"ピー・チャン・ナン"が撮影も殆ど終わりかけていたというお粗末。タイでは今年初めに封切られた。

 監督や制作者達にとって、ホラー映画というものは、自分達のやりたいことの出来る最も都合の好いジャンルなのではないかと思えてしまう。
 この映画も、視覚的にあれこれ工夫していて、それなりに面白く観れる。けど、映画自体としてみると、今一の感は拭えない。ホラーのお決まり手法のオン・パレードはともかく、些か単調に過ぎた。雰囲気は必ずしも悪くはないのだが。

 僕の希望に反して、トン(トーン)はアーン(aon)という大人しい看護婦の役。トン自身は寡黙な役柄に、そんなことはないと云いながらも戸惑ってはいたようだ。"セブン"コンサートの時も、一緒に出演したマイやマーシャに楽屋で一番騒々しいお喋り娘とからかわれていたぐらいなので、まるっきり自分と逆の役を与えられた訳だ。役者としてはそっちの方が面白いのだろうが。
 暗いトーンの画面の中で、恐怖に打ち震えたり、血塗れになったり、叫び声を挙げたり・・・別に歌手としては伸び悩みのトンが、今度はスクリーンの上で、ホラーの女王の座を狙っているって訳でもないだろうが、もっとトンの本領アクション系+コミカル(お決まりのタイ・ドタバタ喜劇等ではない)な方途へ向かって欲しいもんだ。彼女の凛々しい姿を一度彼女のVCDで視てしまったら、タイの男達がこう在って欲しいという願う淑やかな女像なんて吹き飛んでしまう。
 ・・・ということは、タイの普通の女達ってことになってしまう? 「タイ女」じゃないけど、包丁やハサミあるいは殺し屋の代わりに自ら拳銃や自動小銃そして自らの鉄拳を持って。そういえば、今中国でも、女達の"反二奶"愛人反対同盟なんて浮気男と愛人を撲滅する集団が胎動を始めているとか。対象の大半が党幹部や偉いさん達らしく、暴力や脅迫で彼女達
に報復してくるとか。いずれ、彼女達もスタンガンから本物の銃で武装することになるかも。
 これがタイにでも飛び火した日にはタイ女達がそれこそ水を得た魚の如く、一体どんな凄絶な光景が展開することになるやら。幾ら何でも、そんな映画にはトンには出て欲しくないが。

 1989年、ウドンタニーのカムチャノッド村で起きたミステリアスな事件を元にしたらしい。バンコクでも稀に見掛ける路上(あるいは野外)上映を請け負う会社にカムチャノッドの森での上映会が申し込まれ、映写斑が現地で上映を始めたが仲々誰もやって来ない。怪訝に思っていると、突如何処からともなく人影が現れ始めた・・・これが、実は、霊達だった、という事件らしい。これを新聞で見た主人公の医者のユットが、知人のジャーナリスト夫婦と彼の愛人アーン、彼と親しい浮浪者のロートの四人でその時上映したフィルムを、映画館を借りて上映し、確かめる事となった。その時から、様々な不可解な現象が彼等の身に起き始めた・・・

 因みに、カムチャノッドの森は、周辺の住民から禁忌されていて、ナガ地底王国の入口との伝承もあるらしい。 

アーン   トン・パツカラマイ・ポトラナン
ユット   アチタ・プラモート・ナー・アユタヤー
ロート   ナモー・トーンガムヌット

監督 ソンサック・モンコントーン
脚本 ソンサック・モンコントーン
      スニット・アスウィニクル
   ムアンフン・ウパトゥム
撮影 チッティ・アーノラカンキット
美術 パイロット・シリワット
制作 ファイブ・スター 2007年作品

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