《パヘリ》ラジャスターンの精霊の恋物語
インド映画に有るようで仲々ないのがファンタジーの類で、ラジャスターン砂漠のオアシスの古木の精霊と人間の女の恋愛物語。
昔話によくある異類婚姻譚と云ってしまうとちょっと仰々しいか。他のブログみると、「霊」ならまだしも大抵「幽霊」となっている。リスやカラフルな小鳥になったり、人間の姿に変幻自在で、日本語でも英語でもタイ語でも、やっぱり「精霊」Sprit=ピーと呼ぶべきではないか。西アジアなら「ジン」だろうか。
舞台のラジャスターン砂漠の映像が素晴らしく、雰囲気を盛立てている。音楽も長閑で古のインド=ラジャスターンはかく在ったかと思わせる。この古のラジャスターンという雰囲気は僕は可成り気に入っている。
ラジャスターンのある町の商人の息子キシャンの屋敷に、ラッチーという娘が嫁いだ。途中、あるオアシスで一休みしていたところ、そこの古木の精霊プレムが彼女に一目惚れしてしまった。
キシャンは何処にでもいる商売にしか興味のない野暮な男で、結婚早々商売のため遠方に旅立ってしまう。新妻のラッチーは悲嘆に暮れ砂を噛むような日々を送らざるを得なくなってしまった。
と、そこに旅立ったばかりの夫が現れた。ラッチーは喜んだ。以前と違って彼女をあれこれと喜ばせて呉れる。が、やがて、彼が本当の夫キシャンではなく、プレムという精霊と分ってしまう。最初は怯えたものの結局プレムの手練手管に陥るが、ラッチーも女としての悦びを満喫出来、相思相愛の長い蜜月が続くことになった。やがて、ラッチーがプレムの子供を身籠もってしまう。そんなある時、突如、本来の夫キシャンが戻ってきて、二人のキシャンに家の者達は皆びっくり。
早速王の処に事の決着をつけて貰おうと二人を連れて家族や隣人達一向が砂漠を横切っていると、老羊飼いに出遭う。話を聞いて、老羊飼いが、本物の夫なら、この水入れ袋の中に入って見せろ、と二人に証明を迫った。
プレムは相手の術中に陥ることを承知で、ラッチーへの愛の証明から逃げる訳にはいかずと、敢えて老羊飼いの革袋の中に入ってしまう。しめた、とばかり老羊飼いは入口を塞ぎ、偽物はこの革袋の中だ、と宣言する。
キシャンは復権し一向は家に戻って往き、砂漠の影に革袋は放られ風に運ばれる砂によって次第に埋められていった。
ラッチーは失望しすっかり塞ぎ込んでしまう。キシャンの投げかける言葉もそぞろ。と、ラッチーとプレムの二人し知り得ない言葉をキシャンが口にした。驚いたラッチーはまじまじとキシャンを見遣った。ニッコリ笑ったキシャンは、実は、プレムだった。目出度し、目出度し・・・。
因みに、ヴジャヤダン・デタの民話集が原作らしく、1973年にマニ・コウル監督によって《夫になりたかった幽霊》DUVIDHAというタイトルで既に映画化されていたらしい。つまり、このSRKのはリメイクってことになる。
キシャン/プレム(精霊) S・R・カーン
ラッチー ラニー・ムカルジー
バンワルラル アヌパン・ケル
ガジュロバイ ジュヒー・チャウラ
羊飼い アミターブ・バッチャン
監督 アモル・パレカル
原作 ヴジャヤダン・デタ
脚本 サンデチヤ・ゴカレ
アモル・パレカル
ヴジャヤダン・デタ
撮影 ラヴィ・K・チャンドラン
音楽 M・M・クレーム
制作 Red Chillies Entertainment 2005年
« 幻影のアフガン (ソ連侵攻前のアフガニスタンの風景) | トップページ | 藤原新也指定中華麺館 《萬龍》と《朋友》 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 高杉晋作=東行庵(下関・吉田) 再訪(2026.03.31)
- 黒石ブログ的近況 《 笑うべからず 》同類異種的島田清次郎への接近(2026.03.18)
- わたしと共に磔刑を覚悟する者はいないか ! 古海卓二《 九州の百姓一揆 》(2026.02.23)
- 甲斐大策的軌跡 古い港町のオアシス・グリシェン・カフェ(2026.02.07)
- 浮遊と舞い上がり(2026.01.24)
« 幻影のアフガン (ソ連侵攻前のアフガニスタンの風景) | トップページ | 藤原新也指定中華麺館 《萬龍》と《朋友》 »


コメント