《ドラゴン・キングダム》 J.チェン&J.リー
米題" The Forbidden Kingdom"、中国題"功夫之王"。
ジャッキー・チェンとジェット・リーの初共演ってことで、さすがに僕も、恐らく子供向け映画って処だろうと多少の諦念を抱きはしたけど、ともかく観てみた。封切り初日で、二回目の昼チョット前の回。 館内に入って驚いたのは、この映画館だけの特殊な現象なのか、入っていた客の大半が親爺かもっと上の年輩客ばかり。別に男割引の日でもないのに。
一体如何なってんだ?
てっきり子供や若い連中で一杯だろうと予想していたのが、親や祖父母世代で埋まっていて、少なくとも子供は一人も居なかったのではないだろうか。ファンタジー映画に子供でなく、親の世代ばかりじゃ気味悪い。で、今全国的にシネ・コン展開であってみれば、映画でも観ようかと遣ってきても、大人の観る映画が仲々なくて、そんなものに落ち着いてしまい、結果年配者ばかりが座席に並ぶという妙な具合になってしまう。尤も、J.チェンの世代ってもうそんな親爺世代ではあるが。
非力で冴えない青年(少年?)が、趣味のカンフー映画のDVDをチャイナ・タウンの行きつけの質屋で漁っていると、隣室に金の棍棒が覗けていた。それが、実は、あの孫悟空の如意棒だった。
これにはさすがに意表を衝かれてしまった。J.リーが悟空を演じるとは・・・。かと云って《西遊記》そのものではない。三蔵も猪八戒も出て来ない。代りに、白人のカンフー映画マニア・ジェイソンが狂言廻しってほど遠いが、"取経"ならぬ"失われた如意棒"を石と化した悟空に届けに行くという"もう一つの西遊記"物語。
《西遊記》自体、呉承恩の物以外にも何種かのものがあるらしいけど、更に異説や後説の類が結構あって、これからも更にあれこれ作られてゆくのだろうが、これもその一つに数えることが出来そうだ。
映画自体、子供相手のファンタジーの体裁を採っているが、けっこう大人の鑑賞に堪えれる造りになっている。現代物だとこうは行かなかったかも知れない。巨額を投じたと云われたツイ・ハークの《天上の剣》もファンタジー・(カンフー)アクション映画だったが、その余りにつまらなさに辟易どころか怒りすら覚えて途中で蹴って映画館を後にする、といった心持ちになることは、この《ドラゴン・キングドム》の場合皆無であった。入れ替え制でなければ、もう一回観ても好かったぐらい。
で、武術・アクション監督のユエン・ウーピンばかりが喧伝されて、肝心の監督の名が分らなかったが、調べてみたら、ロブ・ミンコフという知らない監督で、デズニィー映画の《ホーンテッド・マンション》なんかのシリアスではないエンターテインメント系の監督をしてきたらしい。確かに、映画の造りはそんな風合いだ。
でも、やはり、二人のカンフー・アクションが見せ場で、思わずつい引き込まれてしまった。特に、二人の対戦は、所詮映画の作り物と分っていても、見入ってしまう。女達もそれなりに彩りを添えてはいるが、到底、例えばチャン・ツィイーのような存在感と魅力には及ばない。
ルー・ヤン ジャッキー・チェン
サイレント・モンク ジェット・リー
(孫悟空の化身)
ジェイソン マイケル・アンガラーノ
ゴールデン・スパロウー リュウ・イーフェイ
白髪魔女 リー・ビンビン
ジェィド将軍 コリン・チョウ
監督 ロブ・ミンコフ
脚本 ジョン・フスコ
撮影監督 ピーター・ポウ
武術監督 ユエン・ウーピン
制作:ライオンズ・ゲート 2008年作品
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