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2008年8月の9件の記事

2008年8月30日 (土)

《ワン・テイク・オンリー》 バンク&ソム=バンコクの青春2001

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  《レイン》のオキサイド・パン=パワリット・モンコビシットのコンビが放つ第二弾。バンクとソム、ケチな麻薬密売人と売春を生業にする女学生のタイのバブルも弾けた2001年のバンコク青年の刹那的な軌跡。

 パワリットは《レイン》でカッコ好い殺し屋を演じたが、この《ワン・テイク・オンリー》でも、気弱で気の好い青年をコミカルな味を出しながら好演している。映画自体は、青春映画のお決まりパターンを踏襲したステレオ・タイプ、でも香港+タイだと、また格別なものがある。
 冒頭からベッド・シーンを演じたソム役のワナチャダ・シワポンチャイ、ポップ・グループ"Niece"の元メンバーと思うのだが、大きな眼に鼻そして厚めの唇、典型的なタイ女の風貌のチャーミングな娘で、パワリットと好いコンビだ。
 
 オキサイド・パンは余りベツド・シーンが得意ではないようで、バンクとソムのベッド・シーンも縦→横→縦→横とあっさり流してしまう。何処かで同じようなの見たなと思ったら、少し後の作品《テッセラクト》でも、英国人ショーンとゴーゴー・ガール"フォン"のベッド・シーンで同じ手を使っていた。フォン=雨、一作目の《レイン》のヒロインも"フォン"。オキサイド・パンはフォンという名あるいは響きがタイの風物と相俟って形成されたイメージを気に入っているのだろう。これは彼に限らず、フォンという言葉自体の魅力だろう。"レイン"という英語も同じで、僕の好きな言葉の一つだ。そういえば、ちょっと、否、かなり古いが、レッド・ツェペリンにも"レイン・ソング"という曲があったっけ。
   
 この映画の面白さは、前作のイメージを覆して、気弱なヒーローそして悪専門学校生達に返り討ちされボコボコに滅多打ちにあっているバンクを、工事用の石材を鞄に詰めて振り回し悪輩を退散させ助けた気の強いヒロイン・ソムという逆倒にあるのだろう。だから、最後まで、バンクはリアルなくらいにカッコ悪く気弱なままだ。これはしかし、現実のフラフラしたタイ男と気丈なタイ女という図式そのもの。
 バンクのカッコ好いのは、ひたすら彼の無い物ねだり的な代償行為としての夢想の中だけ。
 
途中、バンコク名物の車道での花輪売り少女からサムがミニ天秤棒を借り自分で信号待ちの車の間を廻って花輪を売りまくって完売し少女に売上金全部を渡すシーンがある。
 少女が裸足で売っているのを目撃したからだ。靴代を稼いだのだった。
 自分の若い女としての魅力に自信があったからやれたのだろう。
 ソムは少女に自分の姿を視、オキサイド・パンはバンコクを視たのだろう。
 花輪売りや物乞いはタイでは立派な一つの産業で、少女は従業員の一人に過ぎないようだ。組織-縄張りがあって、そうそう勝手に個人が入り込めたりはしないらしい。因みに、ごく最近、タイの国会で、外人の物乞いを認めない法律が出来たらしい。外人といっても、金のないバック・パッカーのなれの果てというのでなく、隣国カンボシアなんかの少年・少女あるいは手脚を奪われた人々のことで、何と、タイでは、物乞いは政府の認可制度があって、認可を受けてないと勝手に物乞いすら許されないようだ。生活に困ってもいない人々が、安易に生活に困っている人々の"物乞い"商売に参入するのを防ぐという名目なんだろうが。実際には、組織化されていて、それは全くの有名無実で、単にブローカー達が一手に甘い汁を吸うのを保証したに過ぎない。で、ブローカーが隣国から国境を簡単に通過しバンコクまで輸送し職に就かせていたらしい。
 そういえば、以前は、キャピトル・レストランやプノンペン市内のあちこちで見掛けた地雷で脚を失った人々の姿を次第に見なくなったのは、全員では有り得ないだろうが、バンコクでの"職"に就いたためだったのかもしれない。
 
 母親も売春婦だったバンクもソムも同じアパートの住人だった。
 最初は互いに気付かなかったが、ある出会いで同じアパートなのが分って意気投合。ある時、しょぼくれたバンクの仕事仲間と、大きな取引にありつけ、大金を得る。二人は持ち慣れない大金にすっかり舞い上がり散財の限りを尽す。バンクはソムに大金を費やす。バンクもソムもすっかり成金カップル。その内、大金も底をつき始めたのか、再び同じ仲間が、前回以上の美味しい取引を持ってくる。今度はソムも仲間に加わり、麻薬を運ぶ仕事を担当することになった。ところが、取引相手が、いきなり銃を取り出し、麻薬だけをだまし取ろうとして、撃ち合いになる。仲間は射殺され、ソムも被弾する。バンクは這々の体で腹部に弾を喰らったソムを連れ車でその場から逃げ出す。 警察にも追われ、麻薬をバンク達に預けた組織にも追われ、万事窮す。
 バンクはほとほと己の不甲斐なさに相曽が尽きてしまう。
 と、事の成り行きで、組織の男を殺してしまい、その男の腰に差してあった拳銃を奪い、騙した組織の連中の処に単身乗り込んでゆく。食堂の奥のj間で飯を喰っていたボスにいきなり発砲し射殺してしまう。そして、疲れたように警察に出頭・・・

 代償行為的に空想に浸るのが慣らい性になってしまっていたバンクであってみれば、しかし、一体最後の方のどれが本当でどれが想像の産物か定かではない。そういえば、ペン・エークの《インビジブル・ウェーブ》も同じように虚実が曖昧朦朧としていた。
  
 監督 オキサイド・パン
 音楽 オレンジ・ミュージック
 撮影 クリソン・ブラマシィ
 
 バンク  パワリット・モンコビシット
 ソム   ワナチャダ・シワポンチャイ
 制作   フィルム・バンコク  2001年

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2008年8月23日 (土)

妖女ナパカパパー・ナークプラシット(マミー)

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   もう何年も前に"メー・ビア"(蛇女)というちょっとエロチックなホラー映画のVCDを観たことがあった。
 "ナン・ナーク"(蛇女)は死霊だったが、こっちは霊と云うなら蛇自身の霊力ということになろうか。娘の実家は郊外の農村部にあったが、バンコクの旅行代理店で働くオフィス・ガールだった。その蛇コブラが若い娘に惚れてその娘に近づこうとする男達を遠ざけようとする。娘もその蛇を嫌っては居ず、ずっと飼い続けていた。そこに、彼女と恋に落ちた妻子有る男アカラ・アマータヤクン("ネクロマンサー"や"チャイヤ"で主演した)が現れる。蛇の攻撃に晒されるが娘がそうはさせない。それでも、娘の居ない間に、川で小舟に乗っているところを狙い水中に落ちたところで殺してしまう。娘は激怒し、蛇を殺してしまい、蛇の亡骸と一緒に入水してしまう。インドのシャー・ルークカーン主演の"パへリ"がラジャスターンの古木の精霊が人間の新婦に恋する話だったのに較べ、こっちは成就せず殺されてしまい娘も自殺してしまう悲恋。

 その蛇娘を演じたマミーことナパカパパー・ナークプラシット、映画の中でも、持ち前の170センチのすらりとした肢体を惜しげもなく晒し蠱惑的な風貌に更に妖艶さを加え、さすがに僕も彼女の虜になってしまった。やはり、もう一人のセクシー女優タックがセクシーという範疇に留まっているのに対し、何処か野生というか、セクシーなんてものを越えたもっと本源的なところから発した魅力を秘めた女優だ。
 ところが、彼女、当初はそれほど映画には未練はなかったみたいで、"ケーン"の屋台やカフェなんかの商売=経営の方に関心が傾いていたようだ。結局、その資金獲得もあるのか、やはりその後も映画やTVの仕事を続けているようだ。ミュージカルにまで出演したらしい。

 で、大部前、"アート・オブ・デビル2"Long KhongというDVDを観た。カバーから流行のエグいスプラッター・ホラーだと一目でわかってしまうが、その感覚からして、それまでのタイのダサいスプラッター物とは違うので観てみた。
 監督始め制作者達は皆嬉々としてクリエイトしているらしいが、いやはや、凄いですなーと"ソウ"や最近では"ホステル"と違わぬくらいにエグいシーンの連続。これもタイ人好みの範疇なのかも知れないけど、もっと驚いたのは、映画の中で、突如、元学校教師であり、彼女の住む田舎に訪ねてきたクラスメートの友人の(義理の)母親でもある女マノーとして彼女が出演していたからだ。

 学校教師時代訪ねてきた元生徒達の教師だったのが、ある暴力教師と密会していたのがその生徒のグループに知れるところとなり、それを今度は暴力教師に逆手に取られ校内でグループの娘が犯されてしまう。その復讐のため、呪術師の処に赴き依頼。女教師マノーも学校に居られなくなって去ってしまう。
 ところが、そのマノーの家にやってきたクラスメート達の身に次から次へと惨事が起こり始める。実はマノーが報復を謀んでいたのだった。彼女自身が呪術を身に付け、自分を屈辱の淵に陥れた元生徒達に復讐しはじめたのだった。その元クラスメートの一人だった生徒、マノーの義理の息子を使って元生徒達をおびき寄せたのだ。そして更に、その義理の息子自体、とっくにマノーの手にかかって殺されていた。つまり、義理の息子は使役霊として利用されに過ぎなかった。
                  
 造りはマアマアで、《メー・ビア》や《ヒエン》、《コン・ピー・ピーサート》と並ぶくらいの出来だと思う。映像も悪くない。それに、マミーが女の"性"というか"業"の凄さを実に妖艶に演じていて、その上、今度は大正時代だったか安部定も顔色なさしめる嗜虐さも加わり、何とも凄絶な強面て美女、まさに妖婦そのもの。彼女自身役に可成りのめり込み(?)、隣国カンボジアまで赴いて呪文を習ったとか。"メー・ビア"の頃なら、鼻の下を伸ばして彼女に飼い慣らされた蛇になりたいなんて痴語も云ってられたけど、ここまで来ると怖過ぎてこそこそ逃げ出すしか手はない。
 この続編"アート・オブ・デビル3"にも彼女は同じ女教師マノー役で出ているらしく、更に残虐度を増しているようだ。制作のローニン・ティームの面々も、益々残忍嗜虐の創意を懲らして作ったようだ。パラマウントだったかハリウッドでも、このシリーズをリメイクするらしい。"ホステル"なんかと酸鼻を競う事になるのだろうか。

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 これを食べれば霊力が・・・

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2008年8月19日 (火)

ゴースト・マザー  小娘ノイナーが娘になって・・・

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   マイと売れっ子アナンダー・エヴァーリンハム(彼のラオスで撮影したらしい"サワディー・ブラン・パバン"は観てみたい)の共演したホラー映画《メモリー》が今春封切られたらしいが、マイ、トン、マーシャとこの所タイ・ポップス歌手のホラー映画出演がひっきりなしで、後残っているのはナット・ミリヤぐらいのものだろうか。彼女は可愛すぎるんでメリハリが効いて却ってホラーには向いているかも知れない。         
 《メモリー》は未見だが、タイでは相も変わらずホラーとドタバタお笑い映画が量産されているようだ。隣国韓国では、韓流映画人気がそろそろ翳りを見せ始めているらしい。量産は"駄作の"を意味するから当然の帰結であろうが、タイのホラーも大抵は駄作で、云うに値する、あるいは観るに値する映画なんてそうそうある訳ではない。(勿論如何な駄作であっても、好いと云う者は必ず居るものだし、百パーセントの駄作ってのもそうそうありはしないだろう・・・おまけに、人に依って駄作の基準も違うし)
それでも、僕もその口だが、物好きが居て、性懲りもなく観続けるもんだ。
 
 "Ghost Mather" ピー・リアン・ルーク・トンというVCDを観た。
 直訳だと"自分の子供を世話する霊"というところだろうか。でも、これが曲者で、映画の方は、実の子供ではなく、親戚の子供達。(超お粗末な僕のタイ語能力が勝手に作り出した産物かも知れないが)だから、何かそこに隠されたあるいは含まれた意味合いが有るのかとつい穿ち観てしまう。が、映画自体、そんな寓意や含蓄に富んだものでは間違ってもない単純なステレオ・タイプな代物。監督のタラトーン・シリパンウォラーポンはそれまでコメディー風のホラーを作ってきたらしく、本格的なホラーはこれが初めてのようだ。タイ喜劇の感性だからなのか、感覚的に古く、テンポも遅い。つまり、単調。ビデオという事もあるが怖さはまるでない。単に、死んで霊となった母親役が子供達を守るのをドラマ化しただけ。二十年以上前だったら、怖いと思う観客もいただろうが。

 主演女優がセクシー女優らしいアム、男優がオーイ(タナー・スッティカモン)。両役者とも僕は知らない。僕がこのビデオを観ようと思ったのは、カバーの真ん中に映った娘だった。何年か前に、日本でも上映された
《フェーン・チャン》で主演の娘役ノイナーをしたフォーカス・チラクン、あの可愛かった娘が成長した姿があったからだ。もう十五歳くらいだろうか。
 画面に出ている時間は少なくはないけど、あくまで脇役でしかなく大した役処でもないので不燃焼なまま。残念。むしろ彼女を主演に持ってきて作って欲しかったくらいだ。

 物語は、親類の三人の子供達を母親代りに世話しながら揚げ物屋台を営なんでいるナンター(パチャラパー・チャイチュア)が、麻薬組織の一味に殺されてしまう。しかし、残った子供達の事が心配で成仏出来ず、何と生きたままの姿でその後も、屋台の揚げ物も自分の手で作り続けたり子供達の世話をし続ける。《ナンナーク》と同類だ。やがて、その一味が子供達の一番年上の娘フェー(フォーカス・チラクン)をも手込めにしようと誘拐するに至って、断固阻止しようと霊力を発揮し、一味は壊滅。フェーは一味の餌食にならずにすみ、ナンターの死体も発見され荼毘にふされる。

ナンター   パチャラパー・チャイチュア
 スメット   タナー・スッティカモン
 フェー    フォーカス・チラクン
 テーン    ティテイ・プムオーン
 
 監督 タラトーン・シリパンウォラーポン
 制作 ファラナコーン・フィルム 2007年

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2008年8月16日 (土)

KATCH "アメージング"なタイのギヤル雑誌

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   早い話、OILオーイ始めベーカリー・ミュージックのアイドル部門らしいDOJO CITYの娘達(ばかりか如何定かでないが)のデビユー雑誌と云えなくもない。
 この頃、これと別途に"Manga Katch"という漫画雑誌も同時に発売されていた。KATCHは十代(中・高生)の娘向けなので写真やカラーが主体で紙質も好いが、後者は日本と同様安価な軽い紙質で作られていた。単純に、KATCH=女、M・Katch=男と区別出来なくもない。絵柄に拘る僕から見れば、マンガにこれといった作品はなかった。KATCHにも一、二点マンガが載っていたけど同じ。

 ベーカリーが売り出したい娘達を毎号載せていたんだろうが、総じて色白の中国系と想える娘が多かった。オーイより細目の娘も居た。
 表紙の掲載写真の一つ前の号に、オーイのグラビア綴じ込みがあり、"SHOCKING PINK"の宣伝もあった。掲載写真のは、2000年の四月号で、Niecetの特集になっている。NieceはKitとKiのデュエット・グループで、この号では新アルバム"Merci Merci"の宣伝らしい。これは二枚目らしく、一枚目は"Niece"。このCDはもはやプレミアムが付いているらしい。
 このNieceのぽっちゃりした方の娘、"レイン バンコク・デンジャラス"の主演パワリット・モンコンビシットの"ワン・テイク・オンリー"に共演したヒロインのワナチャダ・シワポーンチャイと違うのだろうか?
 サイト可成りあれこれ捜したけど、ちょっと古いので確認出来なかった。僕はこの映画、サイアムのバンコク・フィルム・フェスティバルで観た時、すぐにKATCHに載っていたあの娘と思った。その確信が強かったので、特に確認もせずに最近まできたのだが、いざ、実際にそれを証す資料となると、これがさっぱりで、お手上げ状態。
 その新人女優もそうだが、この雑誌に登場した娘達のどれくらいが今現在どの部門で活躍しているのか皆目定かでない。正に、泡沫的明星というわけだ。 

 KATCHのサブタイトル "Gals,comix,fashion,&cool stuff magazine"

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2008年8月14日 (木)

タイの泡沫的歌星(アイドル) OILオーイ

  Oil

   ある時、バンコクのCD屋に入ってふと棚を見てみたら、ピンクの、何処かで見覚えのある細目(カラバオ風に云うとキツネ眼)の貌がカバーになったカセツト・テープがづらり並んでいた。
 "Katch"、"Manga Katch"マンガ・キャッチと云うもうとっくに廃刊になったBakery  Musicがティーンエイジャー向けに出していた漫画もあるナウい雑誌にモデルとして登場していた。OIL(タイ風に発音するとオーイ)という名の娘だった。何処にでも居る風貌の、敢えて強調するとしたらその細い眼であったろうか。僕の記憶では彼女は2回登場していた。2回目の時、既に"Shocking Pink"の広告が載っていた。
 知らない間に歌手としてデビューしていたのか、しかし、それにしては随分と派手な宣伝の仕方だなーと感心して、カセットのカバーをよく確かめてみたら、これ又何処かで見覚えのある数字が並んでいた。
 "1,000,000"
  えっ! タイでこの数字がカセットのカバーに記されているとしたら、それはもう、百万枚売れたと云うことだ・・・あのターターやボーと同様に!
 思わず「ホンマかいな!!」と、関西人でもない癖に叫んでしまった。
 で、買って聴いてみたら、これが彼女の風貌と相俟って、全くハシにも棒にもかからぬ代物だった。これなら、まだ、ローズ・マリーの方が数段勝っていた。こんなものが、百万枚も売れたとは・・・いやまったく、タイ人の購買力も相当に増大してきたんだなーとつくづく感心してしまった。丁度、タイがアメージングなバブルに沸いていた頃であったか。
 でも、これは、やっぱりBakery Musicの雑誌"マンガ・キャッチ"等のメディアを使った宣伝力の故なんだろうと結論せざるをえなかった。
         
 で、これを書くため、久し振りに(買った時以来聴いてなかった)聴いてみると、そう云うほど極端にお粗末ではなかった・・・否、やはり・・・

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2008年8月12日 (火)

タイの泡沫的歌星(アイドル) ローズマリー 

  Rosemarie

  タイのサイトを観ていると、又初めて聞く名のアイドルが登場している。
 試聴があれば、一応は聴いてみるものの別に特に如何と云うこともないのが殆ど。ブア・チョンプーやプロイなんかは現在如何なったろう。稀にYOUTUBEや音楽サイトで観はするが今ひとつ。モメイなんてデビューの時はちょっとコミカルな曲が悪くはなかった。テレビでそのモメイのミュージック・ビデオを観た隣国カンボジアの首府・プノンペンの娘に「あ~、バンコクに行ってみたい・・・」と嘆息させしめた"ゴジラ"なんか。嘗て「改革開放」直後の中国で、娘達が香港のバンド・ビヨンドを自由と幸せの息吹の如くに想いもてはやしたのと同様、憧れを抱いたのであろう。にも係わらず、その後のモメイのアルバムは何時聴いても詰まらぬ曲ばかり。

 そんなチョンプーやプロイは現在でも活躍してるらしいが、そこまで行けなかった泡沫的なアイドル、二人ほど記憶に残っている。(実際には、今でもそれなりに活躍しているのかも知れないが・・・)
 
 タイの音楽界って可成りイージーで、アルバムのタイトルも、歌手の名をそのまま持ってきたり、《ローズマリー》マリー・ローズなんて常套パターンだろう。そのマリー・ローズのカセット・テープを買って宿のドミトリーで聴いてみた時、その何とも形容しがたい代物には殆ど腰が抜けかかった。ヌメ~とした声に、更にそれが時折裏返って凄い声になる。ところが、音程をそんなに外す訳でもなく、曲自体は何か特別な事情(情実)でもあるのかと訝(いぶか)ってしまうくらいに悪くないのだ。タイの土俗的な、土とメナム、排気ガスと運河の勾りとやらがむせ返ったような産物。
その一種、シュールなくらいの土俗的な凄みに、途中でゴミ箱に放り込むことなく最後まで聴いてしまった。
 可愛い娘ちゃんが下手な唄でCDレビューするのは分るが、別に美人とも特に可愛い(ナーラック)とも思えない娘に、観ようによっては三十歳代にも観える普通のやや整った容貌の娘に、何故こんな好待遇デビューなんだろうか。
 あのナットですら、何枚もアルバム出していても、せいぜい一枚に少しは気の利いた曲が一、二曲入っているだけで後は凡作ばかり。そういう意味では、確かにナットは好い曲に恵まれないアイドル歌手ではある。だから、何故、こんなローズ・マリーばかりが二枚続けてそれなりの曲が一杯入っているのかさっぱり理解出来ない。よほど事務所が総力を挙げて売ろうとしたのだろう。Genie  Recordから出したCDのカバーは彼女の唄からして不似合いなぐらいに違和感のあるナウいデザインで、当時まだ開業前だったスカイ・トレイン(モノレール)が殆ど完成した線路で撮った写真を使っている。髪も短髪にし、腕には大きなGショックの腕時計、耳にはウォークマン用のコンパクト・ヘッド・フォーン。確かに、その頃MBKで、買って一週間もしない内にメッキが剥げだすカラフルなベビーGなんていっぱい売ってましたね。

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2008年8月 9日 (土)

元気印ダンドゥットの女王   イヌル・ダラティスタ

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   つい最近まで、イヌル・ダラティスタの存在なんて全く知らず、たまたま買ったマス・イダユがダンドゥットの世界で女王と呼ばれるようになっていたことすらサイトを観て初めて知った。
 マレーシアのダンドゥットの女王・マス・イダユもセクシーで可愛い歌手だが、インドネシアのダンドゥットの女王・イヌル・ダラティスタも、YOUTUBEのビデオで観ると風貌はちょっと色白の中国系にも見えるが、可愛くてセクシーというか、例のマレーシアのイスラム団体の神経を逆撫でした尻をグラインドというか大きく打ち振るダンスがやっぱり元気そのもの、庶民には受けそう。観てると、会場の子供達すら彼女のダンスを真似しているようだった。

 YOUTUBE の中で観れる彼女のビデオの中では、アラビックな旋律も好い"Mabok  Bae"なんかは最高のパフォーマンスで、パキスタンのカッワリーのヌスラット・ファティ・アリ・ハーンにも負けないくらい云えば褒め過ぎであろうか。
 アリ・ハーンはとっくに死んでしまったけど、生前パキのテレビに何時も出ていて、トーク番組の後、彼等の演奏が始まるのだが、年々彼の楽団の編成が大がかりになってサックスまで入ってきたのには驚いてしまった。尤も、カッワリーはイスラムの神を讃える唄・音楽なので、さて、もし彼が生きていて、イヌルのパフォーマンスを観たら何と応えるだろう。

 初期の頃なのか、モーラムのコンサートの如く、野外の小さなホールで演っている彼女のパフォーマンスは、舞台狭しと踊りまくり、唄いまくる様は、CDじゃちょっと臨場感に欠けてしまう。やはり、VCDということになってしまうんだろうが、インドネシアの場合、彼女のVCDそれなりに出ているんだろうか。
 クァラルンプールでのコンサートのビデオ、かっちりと肌の露出を避け、お決まりの尻振りは無いようで、普通の振り付けダンスなので、何としてもイヌルのエッセンスが希薄で今一つ燃焼しない。
 やっぱし、イヌル・ダラティスタは、肌を露出し、これ見よがしに尻を振ってこそ、イヌル・ダラティスタなんだ。

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2008年8月 5日 (火)

ダンドゥットの歌姫 マス・イダユ

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   《アニメ声のイスラムの歌姫達》の頃、マレーシアの首都・クアラルンプールでもカセツト・テープを買い漁った。尤も、マレーシアはインドネシアと相異して、物価は高く、買いまくりは出来なかった。結構カバーデザインや微細な情報等を僕なりに分析して可成り絞り込み選んだ中に、これはしかし、カバーの絵を見て直ぐに買ってしまった。
 
 歌手のマス・イダユ自身仲々にセクシーで魅力的だ。
 カバー&リーフレットには、歌詞と彼女の写真を絵画風に作ったポスターが入っていて、その風貌は正に情熱的なトロピカル娘そのもの。
 カセットのブラスチック・ケースに赤く丸いステッカーが貼ってあって、" AIM 98  Album Dangut Terbaik "と記してあった。このAIMは、マレーシアの音楽関係の賞のようで、98年度のマレーシアの歌謡曲カテゴリー、ダンドゥットのベスト・アルバムかも知れない。
  因みに、2000年のAIMの最優秀ダンドゥッド・アルバム賞に彼女のアルバム『Bolehlah Boleh』が受賞している。

 僕の買ったアルバム《DUNIA  CINTA》は、冒頭の"Senggol Senggolan Cubit Cubitan"から非情に調子好くダンドゥットそのもの乗りまくりの逸品。曲とカバー・デザインのセンスがベストにマッチしていた。YOUTUBEでこの曲と二曲目の"Selangit"が観れる。特に一曲目は、その当時のものか定かではないけど、映像も悪くないしマレーシア風なのかジャワ風なのか詳びらかにしないけど彼女が舞踊衣装を纏って踊りながら唄っていて面白い。二曲目のSelangitの方も、中国風の建物に中国系の男で、一昔風というかレトロ風に作ってある。
 又、これはそのアルバムではなく、最近のものらしいYOUTUBE映像で"Goyang Bali"というもろバリ・ダンスをテーマにしたもの、2000年のアルバム《Bolehlah Boleh》のタイトル曲のインド風のものやら、観てて飽きない。左手でパイプを持つようにマイクを持っているのも特徴だろう。

 彼女の声・唄い方はちょっと甘えた感じの、しかし今時まだ生き残っている所謂"男女同権論者"達から云わせれば男に媚びていると罵声が浴びせられるのだろうが、イスラム世界にもこんなものがあったのかと、《アニメ声のイスラムの歌姫達》の時と同様驚いたものだ。が、イスラム世界が典型的な封建的社会そのものと理解してしまえば、正に男女同権論者達の言い分も成り立つ余地があった。
 と、云うのは、つい最近、このマス・イダユやマレーシア・ロックの女帝エラが、人気のあるサッカー試合の関連イベントに出演するに際して、地元のイスラム教関係から、"みだら"とかのクレームがつけられたらしい。 ちょっと前なら、日本やアメリカでも聞いた事があるようなセリフである。

  又、インドネシアのダンドゥットの女王・イヌル・ダラティスタがクアラルンプールでのコンサートでも同じ連中に阻害され中止になったようだ。彼女が唄う時、腰をグラインドするらしく、如何もそれが連中の神経を逆撫でするようだ。

 が、単純な心理的原理として、彼等はイヌルに自分達自身の内面を投影したに過ぎない。そこに正に自分達自身(の姿)を観ているに過ぎないにも拘わらず、あたかもイヌルがそれであるように自らを詐瞞しているのだ。権力や趨勢を嵩(かさ)にきるような輩に典型的な傾向だ。

 幾ら女王の異名を冠せられていたとしても、所詮一ダンドゥット歌手の可愛い娘ちゃんに、自らの後継者だったはずの若い議員がどんなその権力者のご機嫌を損ねたか知らないが、もはや政敵として俎上に乗せ"同性愛"の嫌疑をかけて、何年も獄中に放り込んだりする恐ろしい体制にあって、一体何が出来ようか。それでも、さすがロッカーのエラ、面目に賭けて(単に白のTシャツ)かでちゃんといつも通りの熱唱だったらしい。

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2008年8月 2日 (土)

トロピカル・ドリンク

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  前回、ジャスミン茶ドリンクを取り上げたが、"あとからジャスミン"と銘打った《午後の紅茶》アジアン・ストレートというのも有った。確かに後から申し訳程度にジャスミンが香ってくる。これは無糖だが、《午後の紅茶》はキリンの出しているミルク・ティーとして、以前は僕も愛飲していた。けど、いつ頃からだろうか、何故か鼻につくようになって止めた。それに変わって、コカ・コーラの《紅茶花伝》がウバ茶使用のせいか仲々風味があって常飲し出した。これは定番になるくらいの決定版だった。

 ところが、今夏、リプトンから、アイスミルクティー"ココナッツが香る"《ココナッツ・アイランド》が発売になった。紅茶の老舗《リプトン》だから、紅茶としても悪くはないだろうが、やはり、漸く出て来た"ココナッツ・ミルク"味。本物のココナッツ・ミルクを使用はせず、香料を使っているようだ。東南アジアでも、リプトンは商品製造・販売していて、ココナッツ・ミルク味を熟知していて好く出していると思う。発売はサントリーで、サントリーのジャスミン茶と同様真ん中がかなりくびれたペット・ボトルで、容量は350ml。椰子の木に白いプリメリアの花のデザインは如何にもトロピカル・ムードが出ていて申し分ない。
 味も悪くなく、タイなんかでも売っているのだろうか?タイ人にはちょっと甘さが足りないかも・・・。
 タイのネッスルは、確か、タイでは何かの商品に入っている大豆か何かが、DNA操作したもので、タイの"グリーン・ピース"に大部追求されていたようだった。商品に一応表示はしているのだが、余りその表示が小さ過ぎ、消費者に分かり辛いということだったと思う。リプトンの方は、中国では遺伝子組み換え食品材料を使用しないという誓約を他の三十数社と共にしたようだが、基本的に遺伝子組み換えを社是としているようだ。僕も、その手の食品は願い下げだし、何だかんだと評判今一の"グリーン・ピース"、タイでは頑張っているらしい。 
 日本では、もう米国産の農産物は全て、自民党・役人達の丸投げ的政策(こんなの政策というのだろうか)で、何でもあり。畜産も殆ど同様。
 亡国がそのまま異常気候として"ヒート!"してしまったこの列島、よく冷えたココナッツ・ミルク・ティーや涼やかな芳りのジャスミン茶で乗り切るしかないようだ・・・

 コカコーラが《SWEECHA》という蜂蜜入り緑茶を出した。
 サントリーと同様既存の製品と差をつけるため、細長いボトル。そして甘い緑茶。
 昔、そういえば、麦茶に砂糖を入れたりしていたのを想い出した。
 が、それは又、タイやなんかでペット・ボトルの緑茶が必ず甘味が着いているのと同じことでもあり、キリンの生茶もタイでは甘味付らしい。逆輸入というと語弊があるけど、茶に砂糖は、紅茶がそうであるように、ローカルな所作ではなく、東西を問わず、砂糖が一般に流布し始めてから、正に嗜好品の定番となった感があり、中国圏同様ストレート茶を金科玉条の如く戴いてきたこの国にも、新しい波が打ち寄せ始めたということなのだろう。

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