神話 the Myth 秦始皇帝的洞天
この映画ちょっと旧く、ジェット・リーとの共演作《フォービデン・キングダム》の前で、丁度陳凱歌監督・真田広之主演の《無極》、陳芸謀監督・コン・リー主演《黄金甲》、馮小剛監督・章子怡主演《夜宴》等の中国の大型時代劇が相次いで出た頃。他国の姫が他国に嫁ぐという韓国=中国のプロットは、秦と元の違いはあるが、既に2001年キム・ソンス監督・章子怡主演の《武士》があった。
別にJ・チェンのファンでもないのにこの映画に興味を持ったのは、インドでロケをし、インドの俳優も出演するという、インド(ボリウッド)映画が香港やバンコクでロケすることが次第に増え始めた現象に対応したものだったからだ。おまけに、ロケ先が普通なら先ず選ばれないであろうデカンのハンピという。
行き辛さもあって一度っきりしか訪れてないものの、あの周囲八方地平の果てまで岩だらけの廃墟・遺跡が見渡せる凄さって中々の景観ですっかり気に入ってしまった。嘗て僕が訪れた時にはまだトイレすらまともにない宿、否、宿すら余りなかった。近くの町に行けば別だったが。
マリカ・シェラワットという女優は僕は知らなかったが、インドでは結構セクシー女優として有名だったらしい。真偽の程は定かでないが、最初はアイシュワリヤ・ライにオファーがあったのをスケジュールの都合で流れたらしい。最近、A・ライ、ハリウッドの時代アクション物”ザ・ラスト・レギオン”に出演したのは、ちょっと遅きに逸した感を否めない。
最初余り期待してなかった。
案の定、冒頭からのアクション・シーン、いい加減中国の派手やかな衣装・甲冑等見慣れている目から観ると、何ともすべての面において安っぽさ・陳腐さが目立ってしまい白けてしまった。その上、J・チェンが考古学者でレオン・カーフェイ(梁家輝)が”反―重力”を専門にした物理学者というのが何ともそぐわない。それでも舞台がハンピに移った辺りから次第にハンピの景観とスペクタクルな映像が好く、セクシー女優マリカ・シェラワットも雰囲気を盛りたて、次第に見れるようになってくる。
秦の始皇帝の秘された巨大な霊廟、これはイマジネーティヴで気に入った。滝の背後に秘された洞窟=秘境・異界への入り口って、中国神話・民話の定番でもあり、又、日本をはじめ世界中に流布してもいるようだ。孫悟空の水蓮洞も有名。今時”反―重力”を荒唐無稽と言えるかどうかはともかく、若干の科学的意匠と伝説を基に拵えられたこの古装武侠故事片、脚本はあの全米で大ヒットしたらしい”グリーン・デストニィ”やトニー・レオン主演の”ラスト・コーション”の台湾の女性脚本家・王恵玲。(来年?章子怡主演予定の”ムーラン”にも参加するらしい。) しかし、彼女、どのくらいからこの作品に関わったのだろう。
せっかくの面白セットもお決まりドタバタじゃ情けない。J・チェンは「普通の古装武侠映画ならぼくが出る意味がない」と言ってたらしいが、今時まだ変り映えのしないワン・パターンを繰り返す方の意味が、ファンではない僕には分からない。尤も、ファンとはあのお決まりを見たいのだろうけど、もう”ラッシュ・アワー”だけで十分じゃなかろうか。そろそろ新境地を開発すべきだろう。
ダニエル・ウーや竹中直人なんかも共演している「新宿事件」なんかそんな新境地の模索的作品なのかも知れないが、公開延期になってしまって残念。カンフー・マスターではなく、単なるオヤジを演じたらしい。
J・チェン 蒙毅将軍/ジャック
キム・ヒソン 玉漱
L・カーフェイ ウィリアム
マリカ・シェラワット サマンサ
ラム・ゴパール・バジャイ インドの老子
チェ・ミンス チェ将軍
監督 唐季禮 スタンリー・トン
脚本 王恵玲
撮影 黄永恆
音楽 王宗賢
制作 英皇電影 2005年作品
« エクラヴィヤ 追憶のラジャスターン | トップページ | 日本浄土 原郷の探究 »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 40℃世界のトロピカル・ドリンク (2026.08.12)
- 舞い上がる女党首あれば、すっかり雑草繁茂した裏庭に精霊飛蝗跳ねることなし 暑熱の門司港2026(2026.07.31)
- じめった令和梅雨にココナッツ (2026.07.18)
- 反時代的一擲 白鬼来 阿片戦争はかく戦われた( 大泉黒石 )(2026.06.25)
- 昏い谷間の活劇「邪痕魔道」 阪妻&古海卓二(2026.06.04)


コメント