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2009年6月30日 (火)

廃れゆく町  門司港

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  藤原新也の我が心の源郷として、そして官製観光地としてすっかり人口に膾炙した門司港、しかし、その擬制観光エリアとはきっかり一線を画した地域エリアでは、時々刻々歯抜け現象が深化し続けていている。
 地域エリアにも、準-観光エリアたる所謂レトロな旧い佇まいらしい微少な一画あるいは建物が在って、皆一様に増々老朽化が進み、新也指定の中華麺館「朋友」なんて朽ち果てる寸前とばかりに別のコンクリの建物に移ってしまった。見上げると、もうその下に居ることさえ危険で、何故こうなる前に手を打たなかったのだろうと無駄とは分かっていても、つい小首を傾げてしまった。「朋友」にそんな経済的余裕がなかったのだろうが、問題はしかしそこには無いのはではないだろうか。個人的には、あんな馬鹿デッカイ社用族や役人輩の遊興の場・料亭三宜楼より大正末か昭和初期を想わせる二階建ての庶民的な「朋友」の方が気には入っていた。

 
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 そこから五分くらいの錦町エリアの路地から更なる路地に入った裏通りの両側に戦後の赤線時代の名残りが連なっている小さな一画がある。
 ここも、観光人力車のコースになっているようだ。明らかに廃屋然とした建物もあれば微かに人の痕跡を認められる建物もあるといった色褪せたかそけき佇まい。タイル張りの構えに、あれっ、何処かで見た覚えがあるなーとあれこれ記憶をまさぐっても杳として明らかにならなかったのが、あるサイトに記されてあって漸く戦後の赤線時代の産物と判明。そんな時代知る訳もなく、映画や写真で得られた記憶だったのだろう。

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 過疎化で増々歯抜け現象が進行しているこの町も、このシリーズのカテゴリーに入るなと、ふと試しにブログを二、三覗いてみたら、筆者の意表を衝いて、何ともおぞましい惨状を呈していた事を知ってしまった。
 詳細はリンクの方で見て貰うとして、この町のあちこちの公営アパートで、特に老齢者達の生活苦ゆえの餓死・自殺が相次いでいたらしい。
 勿論現在進行形であって、事態は更に悪化するばかりなのはこの国の政治ってのが如何なものか分かるなら誰にでも推論できる事。否、インフルエンザの比ではないくらいにやがて列島中に瀰漫するのも必至。困窮者が役人に最低限度の保護=生活保護を求めても一向に対応する気もなく、どころか申請すらさせなかったという。生活保護を何か行政が、納税者・住民に対して行う慈善事業とでも勘違いしているとしか思えない。一方的に税金を徴収するだけならヤクザがしょば代やみかじめ料を徴収するのと寸分の違いもない。そもそもそこに住んでいるというだけで別に税金なんかを払う理由(いわれ)はない。
 
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 当然、徴収は徴収した側の「義務」を前提とする。
 つまり、納税者達を「保護」するのは義務。「生活保護」ってのは何か突発的な問題が起きた折以外には普通あり得ない代物で、それ以外の生活保護をそもそも必要とする人間が居るってこと自体が、行政の無能と無責任を意味し、つまりもう彼等はそんな位置(ポジション)に就いていられない事をも意味する。況や政治家なら尚更。
 つまり、彼等はこの国には全く必要でないし、別の職業に就いて貰う他ないのだが、実際にはどころか、延々としがみつき、更に如何なに悪事がばれても仲間内で普通は給料の幾パーセントかの減棒で済ませている札付きの寄生者達なのだ。戦前もそうだったし、戦後も一貫して無能・無責任そして果てしない悪事と地方・国の荒廃をきたしてきた張本人達だ。

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 以前テレビも取り上げていて、追求するマスコミに地元の役所の役人輩が目を血走らさせ真っ黄色い牙を剥きだして吠えたてていたのを覚えているけど、何故か丁度福岡の酒酔運転殺人犯の役人や東京湾沖イージス艦漁船員殺人事件の艦長と同じ精神構造と感性の持主達なんだなーと、改めて彼等の相似性に感心してしまった。要するに「自分達には一片だの落度も無い!」という訳だ。報道された頃は、まだそこまで陰惨な情況になっているとは思いもしなかった。
 そんな連中(役人・為政者)に、ゴミか何かのようにあしざまに罵られ叩き出されて死んでいった人々の無念と絶望と怨念が、あちこちの廃屋・廃墟の燻すんだ板壁の染みや割れた窓ガラスの奥の暗闇に、一瞬覗け見えたようなそこはかとなく救いようのない哀れさと無常さ。

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  ひっそりと静まり返った死んだような町、そしてそれは一層有害な排気ガスを撒き散らし周辺の住民達の健康を害し続け、地球の健康すら延々と損ないつづけている、轟音と埃のトラック・バス・乗用車が道路・路地の隅々までひしめき続ける「活性化」した町と相補である。公営アパートも撮っておこうと思ったが、余りにしんどく又別の機会にとっておく事にした。一、二昔前の公営アパートの、空部屋を通り越して廃室とも云うべき荒んだ雰囲気を漂わした佇まいに、違和感を覚えなくなってもう久しい。                                                                               

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