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2009年8月11日 (火)

タイ・ポップ・ロックの女王 マイ

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  今春タイで封切られたスプラッター・ホラー《ミート・グラインダー》で、気に入らぬ輩を片っ端から自分の屋台のクオッティヨウの具にしてしまう凄絶な妖婦を嬉々として演じたらしい我がタイ・ポップロックの女王=マイ・チャルンプラ。タイ語のタイトルはもろ"人肉クォッティヨウ"、もうそのままだ。こんなのタイで大丈夫なのかと老婆心を起こしてしまうが、昨年のサイコ・ホラー《メモリー》で相手の売れっ子イケメン男優・アナンダ・エヴリングハムを切り刻まんばかりの妖女振り以上に一層脂が乗ってきた空恐ろしいばかりののめり込みよう。さすがに疲れたらしいけど、次回作が期待される。もう一人の本来の泰国恐怖映画皇后・マミーと《フレディーとジェイソン》並の妖女激突片なんかも先では期待出来るかも。

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 マイの異父姉妹サーイ・チャルンプラは既に紹介したが、マイも初発は歌手ではなく映画だったようだ。十歳の子役から映画界にデヴューし二本目で、"サラスヴァティー金の人形賞"というもろヒンディー・ネームの賞を貰い、テレビや舞台と活躍し始めるようになったらしい。元々父親が俳優だったという。イギリス留学の経験もあるようだ。

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 1989年に《マイ・ムアン》で歌手としてデヴュー。
 ポップロック系の曲調というが未聴。売り上げ八十万枚以上。大したものだが、翌年《マイ・キート・ファイ》を出す。これもポップロック調でA面の"クワック・フア・チャイ"や"ヤーク・チャ・ローンハーイ"なんか悪くない。でも、如何にもマイらしいロックそのものの《ピー・スア・カップ・パーユ》は好きなアルバムで、カセットのデザインも気に入っている。マイの前にタイ独特の短剣に蝶の羽根をあしらった絵柄、後年の映画女優マイの面目を顕わにしていて興味深い。個人的にはA面一曲目が好い。このアルバムのマイは本当に歯切れが好い。発声法の問題なのか。

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 知らなかったが、マイは暫く歌手活動を休業していて、1998年、再開して出したのが、《プレーン・リット》。個人的にはマイのアルバムの中ではこれが一番気に入っている。イタリア人ブルーノ・ブルヤーノが参加していて、ハード&ソフトの好い曲ばかり網羅され、ヒットしない方が不思議なくらいだった。バンコクでの定宿"TTゲストハウス"で今じゃ骨董品になってしまったカセット・ウォークマンで頻(よ)く聴いていたし、リビング・ルームで宿のスタッフ、トーかドゥアンが珍しくスピーカーで流していたのも想い出す。
 2001年、マイ、エーム、マーシャー、ナット、ウー、ニコール、トン、グラミーの有名女性歌手七人が集合して、バンコクで"SEVEN"コンサートを開催した。その時VCDとCDも発売された。VCDは国内で偶然見つけ買ったけど、CDはなし。コンサートとは別のクリップをYOU TUBE で見たけど発売されているのだろうか。さすがに、これだけいっぱい有名処が揃っているとつい魅入ってしまう。バード・トンチャイとチンタラーやナットの"フェーン・チャー"と双璧をなすコンサート・ライブだろう。

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 ハスキーな割には歯切れの好いのがマイの魅力の一つだろうが、事故死した伝説のルークトゥン歌手プンプアンのヒット曲を全部カバーするつもりかと思われるぐらいに何枚も立て続けに出したりし、2007年にはイギリスのマンチェスターでタクシン元首相がサッカーチームのオーナーになったのを記念したコンサートで他のミュージシャン達が逃げたにも拘わらず、一人奮闘して唄ったりもしたらしい。タクシンが以前からマイのファンだったようで付き合いもあったようだ。義理がたいのだろう。
 個人的には、セブン・コンサート以降は余り聴かなくなった。悪くはないがも一つ何かもの足らない。むしろ、女優マイの方に比重がかかってしまったのかも知れない。

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