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2013年4月 1日 (月)

《 孫悟空 》マーブル彫像 (旅先グッズ 2)

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 雲南省大理といえば、旧い甍の連なる町並み、その背後に聳える蒼山の峰峯と眼下に拡がるアルハイ湖、そしてその地名でもある大理石(マーブル)。
 もうかれこれ十年近くご無沙汰で、高速や鉄道(下関)すら通っていて一体どんな町に変貌してしまっているのか皆目見当もつかない。僕らが通っていた頃既に"俗化"が言われていたのだから、昆明の旧市街の伝でいけば惨澹たる結末ってことになるけれど、大理(旧市街)の住民達もそこまで愚かではないだろうという一縷の望みに期待する他ない。俗化されているといっても、一歩町並みから外れると、屋根瓦の上に雑草がびっしり生い茂ったりの嘗ての土塀の家並みが続いていて十分にその雰囲気は残っていた。中国でも好きな町の一つだ。サイト見ると、まだ定番「菊屋」は最近所謂中国式"珈琲庁"風に改装したようで健在だし、「太白楼」も中国人に人気があるようで結構なことだ。

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 ここのメインロードの入口近くにあった土産物街のある店の店頭に他の大理石グッズと一緒に並んでいて、丁度手頃の大きさと量産品の割には彫りが細部までしっかりした造りの彫像だったので、迷わずこの斉天大聖=孫悟空像を買った。大きさは10センチちょっと。風貌も品格すら漂っていて中々好い。ずっと自分の机のガラス戸棚の中に簡単にだが、気分はあたかも道教の異貌神=聖天大聖の如く祀ってあった。

 中国や東南アジアなんかでは、西遊記グッズ良い物があれば手に入れておこうと店先や奥の暗がりすら物色してみたりしても、ベトナムの陶製の豆西遊記一行人形くらいで意外と見つからない。唯一、バンコクのシーロムだったかのコンプレックス・ビルにあった骨董品とハンディー・クラフト両方を並べていた店の奥のショーウィンドーに、50センチぐらいの陶製の立派な聖天大聖像を見つけたことがあった。ガラス・ケースに「俺が孫様だ!」とばかりにふんぞり返っていて、すっかり気に入ってしまったものの、大きすぎて日本に郵送するしかなく、ガラスというのが何とも気にかかった。値段は貧乏旅行者でも買える価格。かなり迷った挙げ句ちょっと考えてみることにした。数日後、やっぱり安いのでこれを見逃す手はないとすっかりその気になって赴くと、「!!」ショーウィンドーの奥に天上天下唯我独尊・傲慢不遜にふんぞり返ったその姿はもはやなかった。誰かに買われてしまったに違いない。旅先で気に入ったものに出遭ったら必ずその場で手に入れないと駄目とはとっくに肝に銘じていたはずが・・・その後、二度とそんな一品に出遭うことはなかった。無念残念。

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( バンコクのある寺院に収まった斉天大聖像。ぼくが見つけたのはこんなキンキラではなかった。)


 結局上海の子供相手の駄菓子屋の店先に置いてある双六やトランプの類が精々であった。こんなものでも、日本では先ずお目にかかれないものばかりで、本場中国の、それもまだ現在ほどに物質的に豊かになっていなかった頃の子供達の伝統的なグッズだったのでそれはそれで興味津々で買い求めた。中国のテレビ・ドラマの西遊記一行の写真で作った些か高目のトランプも、たしかにオドロオドロしく一種の趣向ってところで悪くはないのだけど、やっぱり、駄菓子屋の店先に並んでいた如何にも安っぽい、印刷や絵柄、材質が何ともいえぬ味わいの「金猴王」が捨てがたい。


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