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2013年11月16日 (土)

ゆらめきのオリオン座

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 最近、夜明け前に夜空を見る機会があって、こんな時間帯だと星々も意外とくっきりと視て取れ、南の夜空に真ん中のくびれた和楽器の鼓(つづみ)あるいは砂時計型のオリオン座がすぐに眼についた。本当のところ、北斗七星とオリオン座しか知らないだけなのだが、真ん中のくびれた部分に三つ並んだ連星が特徴で見つけ易く、鼓の下側右端のリゲル、上側の左端のベテルギウスが明るく、とりわけベテルギウスは赤々と大きく輝いている。真ん中の少し斜めになってくびれた部分の三連星の下がった先をちょっと辿ってゆくと、青々と妖しく輝く隣の星座=大犬座のシリウスが眼に入る。

 そんな慣れ親しんだオリオン座だけど、その一番のネックたるベテルギウスが、ある日突如太陽なみに燦然と光り輝きやがて漆黒の闇となってしまって、オリオン座の基本である鼓型が崩れてしまう可能性が高くなってきたらしい。
 そもそもベテルギウスは質量が太陽の約20倍もある赤色超巨星ということで、その種の恒星の常として、星としての寿命がつきると、超新星爆発を起こすようだ。それを示唆する顕著な変化=収縮がずっと観測され続けての推論らしい。ひょっとすると既に超新星爆発しているかも知れず、何しろ地球との距離が642光年なので、超新星爆発しても我々がそれを視認できるのは642年後ということで、視えた時がその現象を確認とれた時という訳だ。つまり、今夜視るオリオン座で一番明るく輝いてベテルギウスは、共時的には、既に超新星爆発を起こしてしまって( 地球から視ると )闇と化している可能性もあるってことで、見えているモノが、実は見えているモノとは別様の、あるいはもはや存在してないモノってことで、『認識論』的には面白い。
 因みに超新星爆発の後、半径10キロメートル(質量は太陽と同じくらい)の中性子星になりそうで、ブラック・ホールにはならいようだ。


 旅先での夜空といえば、やはりヒマラヤ山脈の西端、パキスタンの高地、フンザやチトラールに尽きる。ともに冬だったこともあって、正に満天の星って奴だった。特にチトラール=カラシュ渓谷では雪が積もり、そこから見上げる夜空は格別のものがあった。満天の星々が燦然と輝いている中じゃ、星座を捜すのは結構面倒なことだったに違いないが、その頃は、情けないことにまだ北斗七星ぐらいしか知らなかった。只、流れ星だけは頻繁に視れた。稀に定速で飛ぶ人工衛星も。地元じゃ、視えてる星の数年々減ってゆき、今じゃオリオン座なんてもうそれしか輝いてないかの如く、他に紛れようもなく、実に簡単に見て取れてしまう。

 そういえば、マレーシアや南インドで出遭った日本人旅行者たちって、決まって《 南十字星 》を口にし、夜空に瞬く星々の一角を指差して、あれがそれだと教えてくれるのだったが、只指差す星が皆違っていて、ある時複数の旅行者が互いに指差したはいいが、別々の異なる星を指し示して、暫し互いに問答が続いたのだけど決着はつかず。結局、一体どれが本当の南十字星なのか今ださっぱり。

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