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2014年11月23日 (日)

危機的時代の無意識的集合意識・共同幻想 ? 『 私は宇宙人を知っている 』 

4nov_1697

    ハンブルグ上空 4Nov. 1697年

 封切りになったばかりのハリウッド映画《 インターステラー 》を観てきた。
 砂漠世界と化しつつある絶滅寸前の人類の存亡を賭けて光速で飛ぶ宇宙船に乗って、遥か時空の彼方まで、人類の新世界に足る惑星を捜す決死行つて訳なのだが、話はそう単純にはいかなかったというひねりを加えている。
 結局、ある惑星でのコロニー建設って運びにいたるのだけど・・・。 《 2001年宇宙の旅 》や《 惑星ソラリス 》を彷彿とさせて、思ってた以上に面白く観させてもらった。
 そういえば、ごく最近、土星探査機カッシーニが送ってきた土星最大の衛星タイタンのグリーンに映えた画像がニュースになったばかりだけど、ちょっと前には、火星探査機・探査車の送ってきたリアルな砂礫世界の画像も話題になっていた。“ 人類 ”にとって火星は比較的行き易い惑星のようで、何の権利があると勝手に思い込んだのか火星を植民地化しようとか銭儲けの対象にしようとか策謀(たくら)む輩も少なくないようだ。


 どころか、米国CIAやDARPA(国防高等研究計画局)が中心となった極秘の《 ペガサス計画 》で既に火星に秘密基地が作られているとか、もっと凄いのは、ある元米海兵隊員が、実は自らを《 宇宙防衛軍 》なる多国籍軍の要員として火星に作られた軍事基地に17年間派遣され、六つの民間コロニーを“ 火星生物から守るため ”の任務に就いていたとか、更にあろうことか、その火星生物群と戦闘行為にまで及び多大な死傷者まで出したという話まで米国のネットTVに出演して“暴露”したという。
 これって《 モントーク・プロジェクト 》なる米国製の真偽曖昧な所謂オカルト・サイエンス風の告発本(?)に網羅されたものと似たり寄ったりで、事の“ 真偽 ”はともかく、元海兵隊員氏の言う火星生物っていわば先住民って訳なのだろうから、そんなところによくぬけぬけと勝手に踏み込んでいって軍事基地やコロニーなんてものを造ろうなんて発想できるものだし、その論理的帰結としての“ 戦争( 侵略 ) ”って訳なのか。
 かつて英国から手前勝手な理屈を掲げて“ 新大陸 ”と称して先住民アメリカ・インディアンの大地に侵略し植民地化してきたのと寸分も変わらぬ発想と感性の連綿には、まったく言う言葉を知らない。
 地球温暖化で今世紀後半頃には地球もいよいよアウトってニュースも駆け巡って、ノアの方舟を決め込んだ火星ラッシュが一層焦(きな)臭く現実味を帯び始めてきた。


 そんな中、ふと本棚の隅にほこりをかぶっていた文庫本を思い出した。
 タイトルはもろ《 私は宇宙人を知っている 》。
 サブタイトルが[ パソコンネットに飛び交うUFO㊙情報 ]で、著者名はなく、監修・松村潔とある。
 現在では占星術や神秘学・精神世界研究家として有名らしい松村潔氏、この文庫本が発行された1991年の頃は、ニフティ・サーブのパソコン通信ネットワークで《 ミスティランド 》という精神世界フォーラムを設立し活動していたらしい。そのフォーラムの中に《 UFO会議室 》があって、そこに1988年のある日、突然エイリヤンと名乗る人物から、“ 宇宙人と会った ”という体験談がアップされたという。数回にわたって掲載された巧みな文章で綴られたその宇宙人コンタクト体験談は会員たちの意表を衝いたものだったという。
 その衝撃性故に数年後( 1991年 )、当のエイリヤン氏に直接交渉し、出版化され世に出ることとなったらしく、『 まえがき 』で松村はこう記している。
 
 「 ・・・ただ私は、UFOを科学的な側面だけはなく、宇宙人問題を考えることを通じて、現代の地球的なわれわれの生活を全体から見なおす効果が期待できるという点も、重要なことだと考えている。」

 エイリヤンというのはネット用のバンドル名で、以前1970年代に彼の働いていた広告会社にアルバイトとして入ってきた青年がX。そのXこそがエイリヤン氏を“ 一大宇宙叙事詩的世界 ”に招き入れた張本人。
 その初回、冒頭から次の様なプロローグではじまる。


 「 何年か前、『第3の選択』という番組があったでしょう。あの、地球人移動に関する仕事を、私の友人はしていたのです。そして、彼はいまだに、金星から帰ってきません。 1983年6月、地下鉄の駅構内で、突然私の頭に大声が響きました。私は最初、誰かラウドスピーカーをいたずらしたのか、と思いました。しかし、その声は、私の名前を呼ぶのです。私は、きょろきょろとあたりを見回しました。誰もいません。電車がきて、なかに入るとまたもや大声が ! どうやら自分だけに聞こえているようでした。〈 どうしたんだろう ? 〉私は考えました。すると〈 どうもなってないよ ! エイジ 〉と声は私に呼びかけたのです。それが私だけに聞こえるテレパシーだということに気づくのには、かなりのタイムラグがありました。〈 これは現実だぞ ! SFの世界じゃないんだ ! 〉といくら否定しても、声は私に語りかけてくるのです。その声が、数年前に知り合ったXだということに気づいたとき、私はひどく興奮してしまったことをよくおぼえています。」

 「 その夜、午前2時頃ごろ、またもテレパシーがありました。Xには、以前、彼がある惑星へ行って、自分のポラロイドカメラで撮ったという、都市の写真を見せてもらったこともあります。その都市は確かに何か変でしたが、こんなもの、合成かも知れないし、こいつはもともとおかしいんだと思っていましたから、それでどうということもありませんでしたが、さすがにそんな自分も、まともに強烈なテレパシーを喰らって、それまでの何度かのXとの不可思議な体験も夢ではなかったことを、改めて思い返したのです。」 


Photo

  パブロ・アマリンゴの幻覚世界


 この“ テレパシー ”云々、当時はまだ一部においてであったものの既に世界的に喧伝されていた( この本でも言及されている )所謂“ 電磁波兵器によるマインドコントロール ”の基本、“ 脳波に対する遠隔操作 ”って奴と相似だけど、上記の『 まえがき 』に記された既存の官製的世界観・価値観を揺るがしてみるってところから見直してみるのも意味があるのかも知れない。
 かつて“ テレビジョン ”のアイデアそのものが世に出た際、SF・コミック世界の稚戯的夢想の産物として一笑に伏されてたものが、今では世界に網羅され、常識となって久しいって迷妄物語に鑑みてみるのも大人の所作かも知れない。


 ある日、エイリヤン氏はXの招待に応じてとある山奥にある山小屋を訪れた。
 早速Xが出迎え、中に誘った。

 「濡れた顔を袖でぬぐいながら小屋のなかに入ると、見知らぬ女性が椅子に座っていました。私はちょこんと会釈をして、迷い込んだハイカーかなと思いました。秋の山を歩くにはあまりにも軽装というか、ベージュ色のブラウスみたいなものを着ていたからです。
 荷物を置いて、ひと汗ぬぐうと、Xはランプをつけました。部屋のなかが明るくなり、女性の顔がはっきりしだすと、私はまさか、と思いました。
 『 紹介しよう。こちら、エレアのオウミさん。こちら、ぼくの親友のエイジです。』
 『 ・・・・・・』
 『 オウミと呼んでください。よろしく、エイジさん 』
 『 ・・・・・・』 
 『 あんまり出し抜けで驚かせちゃったかな ? 』
 Xがそんなふうにいったのを覚えています。私はただ、その場に立ち尽くしていました。
 『 私の姿、どこかおかしいですか ? 』
 オウミと名乗った女性は私に笑いかけました。
 『 いいえ ! 』
 私は、精一杯、それだけ答えました。
 〈 目の前に宇宙人がいる !  これが宇宙人か !  目の前に宇宙人がいる !  これが宇宙人か !  目の前に宇宙人がいる !  ・・・・・・〉」


 「 冷静さを取り戻してからの印象を記述すると、オウミさんは、身長150センチくらい。髪は栗色で、真ん中から半分に分けた髪を後ろへまとめて肩のあたりでしばってある。ごくふつうのヘアスタイルでした。皮膚の色は白く、やや青みがかって見え、目の色は茶色でした。まるい額、秀麗な眉、鼻梁の高いすずし気な鼻筋、バランスのとれた、穏やかななかにも凛々しさの感じられる、力のある瞳、唇は薄く、肌色に少しだけ赤みが混じった色をしていました。話すとき現れる白い歯は、つたくわれわれ人間そのものでした。しかし、変わっている点もありました。それは、異様に耳が長いのです。耳の位置も、われわれと比べると、ずいぶん下のほうにさがっていました。耳たぶも、だらり、という表現ができるほどに垂れ下がっていました。そしてオウミさんはその長い耳たぶにピアスのようなものをしていました。・・・」

 
 プレアデスのエレア星のエレア人オウミ嬢。 

 「 ・・・エレアには種族の異なる人間が三種いる。しかし、どれも“ 国家 ”の概念を持つことがなかった。全体の人口は五億人。
 ・・・ エレアでは、これ以上の進歩はない。地球時間の200万年前に止まっている。
 ・・・ エレア人は大昔に欲望を昇華しているため、地球から見れば“ いなか暮らし ”をしているように見えるだろう。
 ・・・ エレアではすでに機械を自由分子にすることが達成されている。地球人から見れば、そこには何もないように見え、身体にも触れることはない。個人、あるいは複数の人間の脳波によって、機械は作動する。
 ・・・ エレアより科学力のすぐれた惑星はいくらでも存在するが、それはたいてい、コンタクトしても意味がなくなっている。6惑星ではエレアがいちばん早く進化を達成したが、現在ではみな同じになっている。地球の文明は、100を頂点とした場合( 科学水準の話 )には0.001になる。これ以上低いと、コンタクトが不可能になる。」


Photo_2

   ヨージェ・ティスニカル (ユーゴスラビア)


 エイリヤン氏が宇宙人( オウミ嬢 )に会ったのはそれ一回切りらしい。
 そして彼女を紹介した当のXも、彼女に負けず劣らずの経歴の持主になっている。
  地方の名家の出身で、高一の時に家出をし“ ヒッピー ”同然の暮らしを続けているうち、習い覚えた麻薬、致死量の“ LSDと大麻 ”を調合した彼の独自製法の麻薬を服用するようになって、決まって同じ時間帯に宇宙人からの信号=声が聴こえるようになったのがそもそものはじまり。同時に“ 超能力 ”も発揮するようになった。エイリヤン氏によるとテレポート能力。そして、プレアデスのエレア星のエレア人によって、金星へ連れて行って貰うことに。

 「 エイリヤン『 ・・・金星へ行っていた目的は ? 』
  X『 宇宙船の建造です 』 。
エイリヤン『 宇宙船を何にするの ? 』
X『 避難用です。最大限人を生かすための 』
エイリヤン『 そんな、避難しなければならないことが、これからあるの ? 』
X『 悪くすれば破滅だからね、文明が終わっちゃう 』
エイリヤン『 もっと具体的にいって 』
X『 とにかく、一気に問題が爆発するんですよ。地殻変動、温室効果、核戦争、古い国家観の終焉、そして他の惑星からの、いうなれば侵略 』
エイリヤン『 その具体的事項の年月日なんかは分かるの ? 』
X『 ある程度分かるけど、もちろんいえないよね 』
エイリヤン『 どうして ? 』
X『 だって、パニックでしょ ? 』
エイリヤン『 知っていれば避ける方法だって考えられるじゃない ? 』
   X『 それは期待できない 』
  エイリヤン『 なんで 』
   X『 これを避けると千年以上も待つような、人類に課せられた通り道だから 』
エイリヤン『 その結果、人が死んでも黙って見てろっていうわけ ? 』
   X『 だから、死なせたくないから宇宙船をつくってもらったんじゃないか 』
エイリヤン『 それは避けることにならないの ? 』
   X『 食物連鎖だからって、シカがいつもおとなしくピューマの餌食になるとは限らないでしょ 』
エイリヤン『 え ? 』
    ・・・・・・・・・
   X『 ・・・一般の人は寝耳に水だよ。そういう人たちが、この事態の成り行きを知ってしまったら、もう、自分たちで解決できるとは思えないから、その結果、エレアの人を頼るでしょ。それじゃ、脱皮できずに終わるわけ。もちろん、人間が全部死滅することはないと思うけど、文明は最初からやり直しだよね。すると、悪くすればエンドレステープだ。だから、どうしてもここで脱皮しなければいかんのよ。それには、手を貸してはいけないし、助けを自分たちの外側に期待する思考方法を、ここできっぱり止める、言い替えれば神を捨てることが必要なの 』」


 この二人のやりとりって、《 旧約聖書 》の中の、ノアの方舟や堕落した町ソドムの殲滅を巡っての神ヤハウェとアブラハムの攻防を想起させる。
 そして巻末の編者自身の記述では、


 「 聖書で述べられているオリオンやプレアデスは、実際の星雲系や宇宙人のことではなく、これはひとつの意識のあり方、生き方のシンボルだと思う。にもかかわらず、昨今の宇宙人事情を考えてみると、こうした象徴的な神話構造がそのまま、投影されてきたかのように見える部分がすくなからずある。
 オリオン的な意識とは、支配者がいて、優れたものからより劣るものまでの、能力的な階級ができあがっているピラミッド社会のことだ。いっぽうプレアデスというのは、事実その星雲が散開星団であるように、中心を持たない( 支配者を持たない )宇宙であり、オリオンの中央集権的な組織形態とは対立するものだ。
 この二元構造に類似した文化として、数千年前から、地球の文化圏は、二つの潮流に分岐しているという話がある・・・・
 今日の西欧合理主義やキリスト教などの「 支配者 」を持つ一神教的な文化と、もうひとつは後アトランティック南方系の、シャーマニズム的な文化圏について言及している。シャーマニズム的な文化は、本来母系的な社会であり、ここには支配者がいない。男性は基本的に子どもとして扱われる。けっこう平和的なノーテンキな世界観なのである。
 こうした地球の二つの文化潮流が、そのまま宇宙的な勢力にもオーバーラップして見えてしまうのは、私だけだろうか・・・」


 そして、「 最近流行のチャネラーの世界でも、こうした二つの潮流の対立が激しい・・・」としたあとで、後者のシャーマニズム系の代表として、当時《 ニフティーサーブ 》内で彼の主催していた《 ミスティ・ランド 》で人気を誇っていたらしいイラストレーター横尾忠則も親しくしていたというチャネラーの北川恵子に触れている。
 また彼女は、幽体離脱によって金星の会議に参加したこともあるということだ。

 ふと、夜明け前、森閑とした夜空に瞬く星々を見上げると、さっそく南の空に一目でわかるオリオン座、その左側に倒立三角形の位置に一際明るいこいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスが大きく拡がっている。さらに、オリオン座の右側に拡がるおうし座に目を向けると、中心ともいえるアルデバランが瞬き、そして更にその向こうに青白く輝いているはずのプレアデス( スバル )星団は、しかし、雲のせいか、杳として闇に隠れたまま。天気さえ良ければ、肉眼でもその星雲の何個かがはっきり見れるというのに・・・

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