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2015年9月22日 (火)

お気に入りの一枚 (2) バルーチの少年たち

P2

 

 

 

 イランからパキスタン側に国境を抜けたクイタフタン。
 周囲は砂漠。
 40℃以上、下手すると50℃ちかくなる熱砂を、えんえん突っ走ってクエッタまで行くバスをえらく待つ羽目になった。
 正確には覚えてないが、恐らく、雨で鉄路が流されるかして不通になったためだろう。砂漠の雨は容易に土石流になるらしい。
 尤も、大部待ったということは、灼熱を避け、陽の落ちた夜の砂漠を走り抜ける夜行便。深夜の砂漠を、ひょっとしてバルーチの遊牧民キャラバンを遠く眺めるチャンスにも巡りあえるかも知れない・・・けど、実際はかなりバウンドや砂埃でかなりハードという話も聞いていた。
 体調が今イチだったせいもあって、カスタムを出て直ぐの、これといって何がある訳でもない砂漠のど真ん中の集落での長時間のバス待ちはしんどかった。
 熱砂と陽光にゆでられ、ともかく陽陰を求めて、二、三軒しかない小さな売店を行ったり来たりして時間を潰す他なかった。丁度中国人旅行者のグループが自分たちのミニバスか何かでやって来ていて暑さをものともせずに皆カメラ片手にほっつき廻っていた。その元気な一団を尻目に、粗末な造りの店の陽陰で、もっぱら清涼飲料をチビチビ出来るだけ長持ちするように飲みながらベンチに長居を決め込んでいた。
 腹の調子が悪かったのだけど、余りに空腹だとまずいと、棚に並んでいたサクランボの缶詰を一缶買って、一個一個ゆっくりと十分に咀嚼しながら胃の腑に送った。スラリとした店の黒髭のバルーチのオーナーとポツリ、ポツリと駄弁りながら、結局大きめ缶一缶全部平らげてしまった。それで下痢するってこともなく、身体の方が求めていたのだろうバウンドするバスでの深夜行も平気で居られた。ぼくの人生の中で、その時ほど、一つの缶詰を時間かけて喰ったことはなかった。

 

 その内、近所のバルーチの少年たちが現れ、店のベンチで居座りを決め込んでいるぼくに気づき、あれこれ片言の英語で話しかけてきた。その内の一人がくわえタバコを慣れた感じで燻らせてるのが印象的。その少年が、英国のオールド“ アニマルズ ”のボーカル=エリック・バートンにちょっと似た感じで、さながらこのバルーチスターン砂漠の中の雑貨屋は“ 朝日の当たる家 ”って赴きが気に入った次第の一枚。

 

 

 

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