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2017年9月 3日 (日)

真夏のブードゥー=ゾンビー世界

 

 この数日朝晩少しは過ごし易くなってきたもののまだまだトロピカル・ランドと化した列島暑熱モードは続くのだろう。
 そんな30℃世界の只中のある昼間、家の裏庭に面した風呂場の天井を見上げると、あしながバチが二匹、天井灯の丸井プラスチックのカバーの横にとまっていた。
 何事かと思い、しばらく眺めていると、驚いたことに巣を作ろうとしていた。
 マジ?
 確かに昼間は空気が乾燥しているけど、夜になると湯気濛々でまずかろう。
 ハチや昆虫って、けっこうとんでもない場所に巣を作ったりしてて、リアルタイムな現在、それもかなり狭い限定された視野内しか認識できないようだ。( もっとも、人間の視野もそういうほど広くもないけれど )
 
  
 そういえば、家からかなり離れたところにあるスーパーの前の歩道脇の植え込みの下に、そこだけ黄土色の砂らしきものが少し盛り上がっているので、何なんだろうと、缶コーヒー片手にのぞき込んでみると、小さな穴が三っつ並んでいて、ヒョコヒョコと真ん中の穴から、黒い羽虫が一匹、後ろ向きのまま這い出てきた。
 すぐ“地バチ”という言葉が浮かんできた。
 が、これは間違いで、後で調べてみたら、地バチって黒スズメバチのことらしく、その穴から現れハチはもっと細っそりした体躯の黒アナバチだった。
 穴を掘ってその奥に巣を作るから、アナバチなんだろうが、見てると、同じ一匹のハチが出たり入ったりしているようだった。後ろ向きに出てくる毎に中の土砂を運んできて、穴口の前に後ろ足で蹴り出し、それがこんもり盛り上がって低い小山を作っている。周囲の黒土と明らかに土質が異なっているので一目瞭然。
 出入りしているのは専ら真ん中の穴だけ。
 これがこのアナバチの習性のようで、たいてい三個の穴を掘り、両側の二つは見せかけだけのダミーで、他の寄生昆虫の侵入を防ぐためだろうといわれているらしい。所用でで外出するときには一々真ん中の穴口を塞ぐという。
 キリギリス系の虫を刺し麻酔状態にしたまま捕らえ運んできて穴奥まで引きずり、そこで麻痺したキリギリス系虫の体内に直に卵を産み付けるという。
 殺さず仮死状態にしたまま、体内で孵化したアナバチの幼虫たちは、キリギリス系虫の体内の肉を食べて成長するって算段。殺してしまうと腐敗してしまうからなのだろうが、怖い話だ。でも、確か人間世にでも、採った魚を叩いて仮死状態にしたまま鮮度を保つって手法がなかったっけ。

 ところが、同じハチの種の中のコマユハチは、その生態から“ ブードゥー・ワスプ ”とも呼ばれ、キリギリス系じゃなく、イモムシに卵を産み付ける。
 イモムシの体内で孵化しイモムシの内部の肉や内臓を食べながら成長してゆくのは同じだけど、そのイモムシを決して殺すことはなく、成長しきった幼虫たちがイモムシの体外に出て蛹になってからも、体内をさんざ喰い破られ瀕死のはずのイモムシはまだ生きていて、面白いことに、そのイモムシは、今度は、蛹を襲おうとして接近してくる他の昆虫を追い払うようになるという。
 実はそのイモムシの体内には常に数匹の幼虫が残っていて、その故なのかともいわれているのが、イモムシの脳=行動をコントロールしているってことなんだけれど、それでブードゥー( イモムシの方はゾンビー )なのだ。ワスプは別に白人旦那たちとの関係を揶揄ってのワスプじゃなく、“ 狩りバチ ”の意味。
 でも、これは、ある種の鳥たちに、別種の鳥が自分の卵を紛らわせ、その鳥たちに育てさせるって手口に相似だし、本当は別種の卵にもかかわらず自分の卵と思ってずっと餌をやり外部の攻撃から身をもって守ろうとする本能的所作をつい想起してしまう。
 ここまでくると、ネコ=ネズミ=ネコの寄生の輪たる寄生中トキソプラズマのおぞましい世界まであと一歩。何しろ、感染したネズミがネコに食べられやすいように行動するようになるらしい。怖い、怖い。それがとっくに人間世界にも蔓延しているらしいので、もっと怖い話だ。

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