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2019年10月22日 (火)

幼童的崇拝 ? 童子蛋

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 なりゆきでロイターのネット記事を見ていて、ひょんな記事に出くわせてしまった。

 

 “ 童子尿煮蛋受追捧Urine hard-boiled eggs”(2012年)
 
 要するに、“ 少年(=童子)の尿で煮た玉子崇拝 ”ってことなのだけど、よく中国の駅前広場あたりでおばさんが出している《 茶蛋 》チャータンあるいは茶葉蛋とも呼ばれる茶葉や醤油等で煮込んだ玉子は、バックパッカーの間では有名で安く安定した食物として重宝されていたものだったが、この《 童子蛋 》は全く知らなかった。
 浙江省東陽市じゃ昔から春の風物詩として、少年の尿、つまり小便で鶏の卵を薬草なんかと一緒に煎じた童子蛋が重宝がられてきたという。
 このニュースだと、五歳以下の少年のものに限るとあるが、他のネット記事だと十歳くらいと記されたものが多い。少女のだと駄目なようで、陰陽学的な根拠なのか男尊女卑的な封建主義的論理なのか定かじゃないけど、多分にセクシャルなニュアンスが感じられなくもなく、稲垣足穂ならどんなタルホロジー的展開をしてみせてくれただろうか興味のあるところ。
 これを食べると、春の萌えた陽気に眠りこけたり気力が萎えたりすることもなく、夏の暑気あたりからも免れるという、韓国の犬肉料理=補身湯ポーシンタンの滋養強壮効果と似た効能が謳い文句のようだ。

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 そもそも中国じゃ古から《 童子尿 》なる漢方的項目があったようで、《 本草綱目 》には塩味があり、無毒で、寒気や発熱による頭痛に効用があり、少年の尿が最良とあるらしい。現在の日本でも飲尿療法ってのがあるようだし、中国と並ぶもう一方の旧い文明大国インドでも、童子ならぬ神の使いたる牛の尿も治療薬の一つとして重宝されてきたらしい。
韓国に至っては《 トンスル 》という糞酒、つまり人糞を原料とする薬用酒もあるという。そういえば、《 戊戌酒 》ムースルジュという犬肉を使った酒も有名だし、《 犬焼酎 》( こっちは酒じゃなくスープだったか )ってのもある。
 近代化もいよいよ佳境に入って来たらしい昨今、“ 民間療法 ”の一語で葬られてしまうのだろうけど、この浙江省東陽市じゃ、《 童子蛋 》は、誰憚ることなく市の『無形文化遺産』( 非物質文化遺産 )として認定されている。
 愛国を押し付けたいのなら、せめて昔ながらの伝統食たる犬肉料理も堂々と市や県・省あるいは国が伝統文化として宣揚すべきじゃなかったろうか。

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