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2020年6月20日 (土)

アメージング・タイランド  旅先のポストカード 2

 Amazing-1

 

 これは全く知らなかったが、観光立国タイランドは、2017年11月から“ アメージング・タイランド観光年 ”ってことだったらしい。
 この従来の直な観光写真から些かアート感覚を採り入れた元祖“アメイジング・タイランド”ポスト・カードのこのカラフルなロゴは、奇しくも世紀末の真っただ中じゃあったけど、タイ中に溢れていた。当時日本人バック・パッカー達にも人気のあったポップ・シンガーのターター・ヤン(グ)のアルバムのタイトル名(“ アメージング・ターター”)にもなっていたくらい。
 当時、タイは“ 好景気 ”だったようだけど、幾らもしない内に“ 我々は我々が想っていたようには豊ではなかった ”と新聞のコラムで自嘲的なフレーズが並んだりするようになるバブル神話の真っただ中。 
その前が確かオープンになったばかりのミャンマーの観光年“ Visit Myanmar Year1996 ”で、当方もマンダレーからパガンまで時代物のフェリーに乗って他のパッカー達とイラワジ川を溯上したものだった。その次が、タイの観光年( 1998-1999 ) 。
 
 
 黄金のガルーダに背後に、王宮ともいわれるワット・プラケオ( ワット=寺院 )の壮大な伽藍のシルエットが聳えているいわずもがな王都・観光都市=バンコクの象徴的図柄。上方に《 エメラルド寺院 》と記してある。この寺院に祀ってあるエメラルド仏( 実際は翡翠 )故のタイ国内で俗称だ。勿論いかめしく長たらしい官命も別途ある。
 ここは交通の便が今一って先入観があって、訪れた記憶はなく、むしろチャオプラヤ川沿いの所謂ワット・アルン( 暁の寺 )の方には、定宿TTゲストハウスから簡単に行けるフェリー乗場から細長い常に満員のフェリーに乗って青々として群生したホテイ葵( パック・トン・チャワー )の浮かぶ赤い濁流を溯上して幾度か訪れた。ともかく暑熱がコンクリート床を焼いて一層うだされながらの観覧はある種の業すら思わせた。ファラン(白人)達もTシャツをべっとり汗で背中に貼りつけさせながらも、装束を纏った若い女姓モデルと一緒の記念写真に余念がない。

 

 

Amazing-3

 

 

 その黄金寺院が所狭しと整然と聳えた中のあっちこっちに、これまた青々とした空に一際映えて眩しいキンナリーの黄金像が佇んでいるらしい。
 このポストカードのキンナリーは両手を合掌しているけど、他のキンナリー像は両手で様々なポーズをとっていて、建物の中には、実際の灯を手にしたキンナリー像もあるようだ。形の整った両乳房を強調したような、あるいはついそこに視線が注がれてしまう態の些かセクシャルな雰囲気を湛えた神像であるが、
 緊那羅(キンナラ)は、インド神話に登場する音楽の神(精霊)で、仏教では天竜八部衆の一つという。キンナラは男神で半人半馬であり、キンナリーは美しい天女であり、半人半鳥の下半身が鳥様。
 だけど、このポストカードのキンナリーは、下半身は、鳥ではなく、さりとてキンナラの如く馬様って訳でもない、むしろ獅子(ライオン)に似てる。ネットでこのワット・プラケオ内の緊那羅像を確かめてみると、必ずしもその定式通りじゃなく、多種様々な姿態のキンナラ・キンナリー像があるのが分かる。
 黄金に輝くキンナリーはクールな東洋的エロティシズムとでもいった独特の雰囲気が魅力的な像で、この種々居並んだ黄金キンナリーを観るためにだけでも、一度は足を運んでみたいものだ。当方のガラス戸棚の中にも、黄金ならぬブラスの7センチ丈のこのポストカードの同じポーズと獅子半身のキンナリー像が長々と佇んでいる。隣国カンボジアの首都・プノンペンあるいはラオスの首府・ビエンチャンのいづれかの店先で見つけたものだった。

 

 

Amazing-2

 

 バンコクから北に直線距離で60キロほど行ったところに、勿論船で蛇行するチャオプラヤー川を溯ることもできるけど、これはもう団体観光客の定番なので、先ずパッカー達が便乗することはない。廉価なのがあればもう有名になってるだろうが、およそ寡聞にして聞いたことがない。
 当方も一度だけ、それもタイ旅行初期にバンコク以外に最初に訪れた場所が、かつて倭寇跋扈した時代の遺蹟・街並みが残っているというアユタヤだった。
 赤土と赤い濁流の交錯した如何にもメコンの残照といわんばかりの一帯は、丁度氾濫・冠水の時節でもあったのか、隣国カンボジアのシェムリアプと同様、当方の東南アジア的原体験として現在に到っている。
ガジュマルのうねった根に取り込まれた仏頭で有名なワット・マハタートの瓦礫と化した寺院と首を刎ねられた石仏群って、栄枯盛衰というより、所業無常の感が色濃く漂っている。  

 

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