昇龍的古都=ハノイ旧市街 【 旅先の一枚 】
1996年の11月下旬に、ラオスの首都ヴィエンチャンからロシア製TU134A(ツポレフ)型ジェット旅客機に乗り空路でベトナムの首都・ハノイに降り立った。ベトナム航空はボーイングやエアーバスも飛んでるけど、ヴィエンチャン=ハノイはやっぱしツポレフ。因みに座席は2×2。
最近は東南アジアじゃタイを追い抜いて躍進一路らしいベトナム。
コロナ禍すらも、米国なんかに較べてそれなりに医療(保険)制度が確保されている日本よりも、ほとんどクリアーに近い僅少感染者数を維持しているとのこと。
多年、フランス・日本・米国の帝国主義的植民地主義にさんざん蹂躙され続けて来たベトナム故に、何とか皆が普通に暮らせるレベルに早く到って欲しいとは少なからずの者が願っているだろうが、しかし、まだまだ官僚主義的な抑圧や貧富の差は大きいらしい。
到着翌日、ホアンキエム( 還剣 )湖そばのカフェに入った時、隣のテーブルに、ジーンズに赤いセーター、足にはストラップ付のグリーンのサンダルを履いた眼鏡をかけた12歳くらいの子が坐っていた。缶コーラを飲みながらマンガや新聞を読んでいたのだけど、ボクが興味もったのは、その色白の男女の性別定かならぬ風貌だった。美形じゃないけれど、ふと気になって暫くしげしげと観察していたら、やがてその子のテーブルに、フライド・ポテトが運ばれてきて、更にカットした肉と目玉焼きののった皿までが。
感じからして、恐らく女の子だろうその子は、テレビの子供向けだか何だか訳の分からぬ番組を眺めながら、ゆっくりと肉片を口に運んでいた。
カンボジアでもタイでも、普通庶民は瓶コーラで、缶コーラは些か高め。
どう見ても中産階級の子弟なんだが、ホアンキム湖だったかタイ湖だったかで、万引きかスリで店主らしき男に首根っこ引っ掴まれた洗いざらしたシャツと半ズボンの同年輩の少年が、引っ叩かれながら警察か何処かへ連れられてゆく場面に出くわしたことがあった。南のかつては魔都と呼ばれたサイゴン( ホ―チンミン市 )ならいざ知らず、政都ハノイでとは、隣国カンボジア・プノンペンの娼館に売られてゆくメコン・デルタあたりらしいベトナム少女・娘達を考えあわせると、厳然とした格差をやはり実感せざるを得なかった。
ボクが泊まっていた宿は、旧市街( =Pho Coフォーコー )のAnh Sinh Guest House。
ネット捜しても見つからず、もう名前を変えたのか、廃業したのだろう。中々気の好い夫婦のオーナーだった。この頃、ハノイは午前中に停電が多く、コイル・ヒーターで湯を沸かして朝食を採ることが出来なかったけど、一歩外に出ると、まだ登校前の子供たちも含めて、狭い歩道で小さく低いちゃぶ台と浴室用の小さな椅子の壮大なママゴト世界が繰り広げられていた。
殆どが若い女だった。
おかずをつっつききながら、茶碗からライスを掻っ込む。
ミャンマーも庶民はこんなスタイルだった。
茶も旧中国式にちっちゃな茶碗でチビチビ飲む。
狭い路地の両側に燻すみ朽ちたような旧フランス植民地時代の建物がひしめき、狭い間口なんだけど、その奥はなかなかに混み入っていてさながら迷宮世界・・・。
褪せた壁のどんよりと滲んだ染に刻印され融け込んだかつての痕跡・消息。
確か京都の町家・辻界隈がそうではなかったか。
10日ちょっとの滞在ぐらいじゃ、そのとば口にも到れてはないだろう。
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