回族喫茶 清雅真 Qing Ya zheng 旅先の一枚
中国・雲南は大理( 古城=旧市街 )のメイン・ストリート復興路、それもバック・パッカーたちの居住区といっても差しつかいない、蒼山側の博愛路、その間に挟まれた直角に交わる洋人路そして大理新市街寄りの人民路に囲まれたブロックの一角に、古民家風の回族の茶店があった。
回族といえば、古くから中国にそれなりの規模で存在するイスラム系の長い間に漢族等と混淆してきた一見普通の漢族と殆んど見分けのつかない人々で、大理にも稀に出稼ぎ的な中央アジア系のウイグル族の店も見かけるが、しっかり土着化した彼等回族の、伝統的な菓子屋やレストランなどはかなりありそうだ。
イスラムってことだからか、余計な調度など排して、ちょっとくすんだ金色の壁紙が張りめぐらされた清楚な佇まいのテーブル四つくらいの小さな茶店で、壁にポツンとコーランの一節なのか、アラビック文字が並んだ額が掲げてあって、遠い雲南の中の更なる微かなエキゾチシズムが気に入って、時折一人足を運んでいた。
ここは、もっぱら現地民御用達の店で、外人がいわんや日本人の姿なんかまずお目にかかったことはない。そもそも、この店は初老の女性とその娘なのか嫁なのか定かじゃないけど、いつもその二人で切り盛りしていて、その二人とも英語がさっぱりなのだ。
落ち着いた佇まいと、少し高めのテーブルが本を読むのに丁度良かったが、たいてい注文することもない近所の知り合いのおばさんたちと大声でのおしゃべりに余念がなく、およそ商売っ気なんてからきし。それでも漢族なのか大理の白族なのか回族なのか定かじゃない中国系の客が入って来て、麺を食べていたりしてた。
当方も、二度、米線( ミーシェンmǐxiàn =米から作った細麺 )を食べたことがあった。最初は1・7元、二度目は2・0元。一応辣菜だけど味は今一。
米線なら碗物より砂鍋(土鍋)米線の方が断然美味く、これも回族的辣菜風味。大理以外の、州都・昆明にも多く、旧市街の一品軒のが一番気に入っていた。大理だと過橋米線が有名。これはもう鍋物の類で、当方はあまり敢えて食べようとは思わない。大理には、米線より一回り大きい麺の餌絲( アルシー)もあって、アルハイ湖周辺で生産された米を原料にけっこう面倒な処理を施して出来た特産品のようで、中々美味かった記憶がある。
因みに、その店の家族の小学生くらいの息子も、ちょっと金髪風で風貌も中央アジア系的だった。正にエキゾチック回族。
どうも、もう無くなっているようだ。あの商売っ気のなさじゃ当然なんだろうが。それとももっと別の場所で同じように、客そっちのけの近隣おばさんたちとのおしゃべり三昧的営業を繰り返しているのだろうか。
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