2024年 風雲再起それとも暗雲延々?
新年2024年は辰年、はて令和はというと、なんとはや6年。
光陰矢の如しを絵に描き過ぎなくらいに、厄号 《 令和 》 の面目躍如、内外にありとあらゆる災厄が瀰漫し、しかし、これからがいよいよ真骨頂って趣きに、明るい未来など本当に、この国に、世界に、実現しようとしている人間が存在しているのか甚だ疑わしくなってくる。
ちょっと前まで俳句が巷で流行っていたのが、575だけじゃ自分を表すには物足りなく思える若者が増えてきたのか、短歌も復調の兆しを見せ始めているらしい。
考えて見たら、その両方ともに時代めいた旧めかしさに些かの違和を覚えてしまう随分と和風情緒的には浮薄な当方だけど、石川啄木だけは嫌いじゃない。
明治末の、仄昏い時代に、死に至る病=肺病みに冒された痩躰をもて余し、貧しさに呻吟しながら、肩を突っ張らかし、時代・社会の寒々とした真相に対峙しようとして斃れていった啄木。帝政ロシアの蒼貌のニヒリスト達へのシンパシーを時代相に詠んだ一連の作品は、時代の黎明の静寂と消息に旧懐の念すら喚起させる。
詩人の秋山清(明治37年生)も、青年時代から啄木に魅せられていたらしく、戦後、《 啄木と私 》 という新書まで出していて、その中の一篇、“ 啄木の百姓の歌 ” の中で、時代に取り残されてゆく生まれ育った岩手・渋谷村を詠った有名な作品を列挙している。
あわれかの我の教えし
子等もまた
やがてふるさとを捨てて出ずらむ
年ごとに肺病やみの殖えてゆく
村に迎えし
若き医者かな
《 一握の砂 》明治43年
明治末の当時の情景なのだが、大正・昭和を経た、中央集権化と過疎化が一層末期的になってきた平成・令和の現在、いよいよそこはかとしたリアリティーをもって立ち上がってくる。
昭和末どころか、明治後期頃から囁やかれ始めていた農村と地方の過疎、要は端的に中央集権と資本主義の論理によって果てしなく過疎と高齢化が深刻化してゆき、やがて病院すらも利潤追求の論理によって一層の手抜きと集中が進行化してゆくのだろう。
因みに、明治5年の農業人口が1470万人だったのが、明治末の43年には1360万人、更に戦後激減し、平成27年には170万人、昨年令和5年には110万人にまでに。
本州・北海道で熊害が騒がれていたけれど、猪・猿同様、本来の彼等の食餌の不作・不足が主要原因らしいとか。そういえば、いつもは隣家の小さな庭に跋扈した茨樹に、小さな白い花が咲き誇った後に結実する南天風の小さな赤い果をついばみに幾種もの野鳥達が姿を現したものだったけど、今年はその赤い実が殆どみられず、地場のスズメが時折つついているぐらい。
偶然の一致なのだろうか。
常年、伸び放題に伸びた枝いっぱいに赤果がなっていたのに・・・
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