チトラール=カフィリスタン 旅先のチラシ2
( 黒衣に紅い装飾がよく映える異教徒の国・カフィリスタンのカラシュ族の娘達。四囲の圧倒的なイスラム勢に抗して生き延びてゆくのは大変なようだ。)
パキスタン観光局発行だけど、一体何処で貰ったものだろう。
アフガニスタンと隣接したチトラール州の州都・チトラール( 標高3800m )、ヒンドゥークシ山脈の麓、高原の町で、アフガン人達の姿を頻(よ)く目にし、大抵彼等は徒歩で国境を集団で越えて来るようだった。勿論、検問所なんて面倒くさい場所以外の。
内戦中のアフガンじゃ何かと手薄な諸々を買うためだろう。食料や武器etc。
隣の州だったかガンダーラ古代仏教遺跡の残るスワートで、ジープに乗った60代ぐらいのターバンを巻いた親爺さんがストック附きのモーゼル銃を銃口を上に向けたまま手にしていたことがあった。如何にもこれ見よがしでもあったけど、いつでも反撃できる臨戦体制ってことだったのかも知れなかった。パキスタンも隣国アフガン同様、基本部族社会。仇討ちはじめ封建主義的残滓もまだまだ残っていて色んな軋轢・抗争が生じるらしい。その旧弊的遺制ともいうべきものの最悪な形が、社会的下位に位置づけられている女性に対するあらゆる宗教的というより、封建主義的残滓をイスラム教で粉飾した悪逆な仕打ち。昨今頻く映画の題材にもなっている。
チトラールは山岳エリアでペシャワールから飛行機( 双発プロペラ旅客機 )で入ると、両側の白銀の峰々の間の空港に降り立つ積雪に蔽われたその周辺の光景はなかなかのもの。只、パキスタンは空港の写真は御法度らしく、危ない橋を渡ってまで撮ろうという挙には出なかった。
チトラールの町は、スワートの州都・ミンゴーラよりも小さな、現在は定かじゃないけど、当時はペシャワールで余り見かけないようなアフガン人達の姿が珍しいチトラール川に沿った細長い小じんまりした町であった。
フェアランド・ホテルという安宿に泊まったけど、ともかく寒く、30ルピーで石油ストーブを借りたものの元々ちゃちな代物のようでしがみつくようにしてやっと暖を取れた。着火フィルターがいよいよちゃちで、3度も壊してしまった。そこの若いボーイが辛抱強く(?)交換してくれたが、さすがに最後にはもう他のはないと怒気を露わにしてみせたが。
当方にとってチトラールといえば、バスも通わぬ悪路をもっぱらジープで川沿いに走った果てのカラーシュ渓谷に散在する異貌の少数民族カラーシュ族の村々。 黒衣に、編んだ貝殻で飾った帽子、赤い首飾りという独特の女性衣装が特徴で、アレキサンダー大王時代の遺制的部族ともいわれている。アニミズム信仰で、イスラム勢力が浸潤しようとしてあれこれ画策しているようでもあった。当方が滞在していた頃にも、既に附近にパキスタン人の経営する安宿や小さな雑貨屋なんかが建っていて、ルピー札を片手に、主婦らしいカラーシュ族の女性が、遠慮がちに店頭に並べてある雑貨を物色していたことも。
北海道( 蝦夷 )のアイヌ同様、いわんや排他性の強いイスラム勢力に席券され、どんどん少なくなっているようだったが、昨今はどうなんだろう。むしろ外人と一緒になる者も出て来ていた。彼等にとっては、イスラム=パキスタン人より、イスラムにとって同じ異教徒たる外人の方が、より親愛的友好的な存在なんだろう。
因みに、アフガン側にも、同じカラーシュ族は居るらしく、彼等はアフガン=イスラム勢力によって、強制的にカラーシュ的アニミズムを捨てさせられ、イスラムを押し付けられてしまったという。ヌリスターンと呼ばれる地域だけど、アフガン内戦でも常に地の利を活かして頑強に抵抗するのでも有名な地であった。
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