精霊的蹉跌
台風一過、わが南西辺境州は以前の猛暑に戻るのかと思いきや、意外と過ごし易く、まだ前日までの降雨の湿り気の残った裏庭にすっかり繁茂した雑草抜きを半分ほど片ずけることができた。昨年ほどじゃないけど、あっちこっちに姿を露わにするバッタ達用に半分は残すのが、この幾年かの習わし。
そういえば、この台風十号の襲来前日から、裏庭の初夏に植えたばかりのプルメリアのでっかい葉っぱの上に、青々とした精霊バッタが一匹乗っかっていて、やがて小雨が降り出しても一向に動く気配もなく、雨滴に打たれっ放し。
雨を嫌って葉裏にでも移動するものとばかり決め込んでいたので、意外だった。 翌日、まだ同じ場所に頑張ってて、接近してきた台風の雨風が次第に烈しくなってきたので、気になって確かめてみると、さすがに移動していた。そのすぐ隣の葉っぱの上で、やっぱり強い雨滴に打たれていた。
見た感じ、必死に葉っぱにしがみついているって風じゃなく、あえて風雨に晒され、雨滴に打たれることを求めてでもいるかの態。
まさか、精霊バッタにも、青春の一コマみたいに、己が肉体を強い雨滴に晒したくなる衝動の一瞬あるいは生理作用が備わっているってわけでもでもあるまい。
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