シーシャを嗜むペルシャ娘 旅先のカード
いつ何処で買ったものか、いわゆるグリーティング・カードの類で、イランでも新年や誕生日を祝するカードは流布している。
現在はどうなっているのか、前世紀( 自身がそこに居たというリアルな刻印・・・自分で書いて思わず唸ってしまう )90年代あたりは、イラン国内でのポップス等は演奏もカセット等で聴くことも禁止されてて、宗教的な弦楽歌曲だけはテレビでも流れていた。イラン的なのかシーア派的なのか、深刻悲壮な表情で男性歌手がオーケストラをバックに熱唱してたものだ。それでも、歌詞がないからか、日本の喜太郎のシンセサイダーのカセットだけは、堂々と路上でも売られていて、喜太郎はイランでも人気があったようだ。
まだイラン・イラク戦争の記憶も生々しい時節だったのもあって、些かの緊張は否めなかったテヘランの街角で、CIAの大きな文字をあしらったTシャツを着た青年を見つけ、思わず拍子抜けしまったのをまだ覚えている。
この新年を祝うカード、アラベスク文様の枠の中に、水煙管( シーシャ )嗜む彩色された単座する美麗なペルシャ娘。
シーシャは大抵、中東~インド世界じゃ、もっぱら髭面の男達の嗜好品で、女性、それも裏若い娘のは珍しい。その希珍さに買ったんだろう。
水煙草の流布は近世に入ってからという。
インドやペルシャがその発祥起源といわれるが、決定的なものじゃないようだ。
昨今は、“ 女性進出 ”とやらで、女性の嗜好者も増え、香りを楽しむため、煙草葉に花や果物の香りつけの材料を混ぜて使ったりするようになったとのこと。
水の中を潜らせてるので健康には悪くない、というフレーズは頻く聞かされた。ところが、やっぱり、どう転んでもタバコ同様人体に悪くない理由はないようで、おまけに、シーシャの場合、長々と喫うのが一般的らしく、いよいよ有害という。
それでも世界的にシーシャはエクゾチックでリッチな嗜好品として徐々に拡がり続けている。
背後のページに、H.Kashaniとある。
カシャ二、如何にもペルシャ風の名だ。
でも、この美人娘でも、この肖像画を描いた画家の名でもないようで、出版社名のようだ。ネット捜したら、同じような形式の絵のペルシャ詩人オマル・ハイヤームの『 ルバイヤート 』を出版していた。
最初、カシャーニの響きが、この娘の風貌と相俟って彼女の名前かと決めつけていたのだけど・・・考えたら、H.Kashani・・・苗字の方だった。
それにしても、エキゾチックなオリエンタリズム的一品で、これで紙質とプリント技術がもう少し良ければ文句ないのだが。尤も、数十年前のものなので、昨今じゃ、もっと魅力的なものになっているかも知れない。
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