イランと中国 ( 旅先の切手 )
小覇権国家イスラエルのガザ=パレスチナへの侵略・虐殺事件絡みで、何ともどうにも恰好のつかない惨憺たるイランだけど、かつて1980年~1988年まで八年も、隣国イラクと戦った時も、イラクの背後に米国が控えていた。
ぼくがイランへ初めて行ったのが、ホメイニーが亡くなって休戦になった二年後の1990年、まだ首都のテヘランでも、あちこちイラクから飛んできたミサイル攻撃の爪痕が残っていた。
当時はイランから日本への出稼ぎが多く、基本ノービザだった。
それもあってか、とりわけ日本人には皆快く歓迎してくれていた。二年後の1992年にはビザが必要になり、イランで不平を云われたこともあった。けど、もともと旅人には誠心誠意迎えるのがイランの伝統って訳で、皆好意的であった。否、中東、アジアじゃ何処でも皆好意的。
イラン人って、ともかく写真好きで、観光地には必ずカメラ持参で撮りまくり。亡くなったばかりのホメイニーの廟の前ですら、家族揃って記念写真を撮りまくっていた。隣国トルコのアブラハム遺跡にすら、イラン産ベンツの観光バスで団体で乗りつけ、容赦なく写真撮りまくり。係りの親爺さんも只、何か云いたそうな表情はするけど終始見守るばかり。
1990年と1993年の二回イランに滞在した。
当時は、亡くなったばかりのホメイニー体制に批判的な学生少なくなかった。イスラム原理主義的体制は現在以て続いているけど、当時の学生も皆中年、働き盛り。米英仏等の破壊と搾取しか興味のない手合いとグルになる訳もいかず、自由と平等のなんと遠いことか。
当時、イランの街角でよく見かけたうねる様な舞姫のミニアチュール、中々にエキゾチックで気に入ってる。この手の小判のグリーティング・カードだけじやなく、もっと大判の作品もあったと記憶している。
周りの切手は、皆、イランのもの。I.R.IRANは、イスラム共和国イランの国名。
右上の王冠風のものと、左下のホラサン出身の十世紀のイスラム哲学者・アブ・ナスル・ファラビは不詳。どちらも古そう。
花はいずれもイラン原産の種のようだ。
中国のも、皆1980年代の切手ばかり。
下のカラフルな年画風の民俗画、いずれも諺めいたあるいは処世訓が記されている。これは切手だけど、ふつうは門扉や部屋の壁に貼るもの。文革の頃は、ほんのりした旧態は排斥され、勇ましい政治的スローガンなんかが躍ったのだろうか。
真中上の京劇風の挿絵、文字部分と合わせてぴったり横五センチ。
對生活知足常楽
対芸術精益求精
左下に作者の銘らしきものが見てとれるものの、不詳。
いずれも定型句のようで、生活に対しては足るを知り平穏、芸術に対しては切磋琢磨怠らない、つまり、画家の言なのか、描かれた京劇役者のそれなのか定かじゃないけど、モットーなんだろう。
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